モラハラへの効果的な対処法と自分でできるモラハラの証拠の集め方

モラハラとは「モラルハラスメント」の略称です。DVと異なり、身体的な暴力はありません。「モラル」つまり道徳や倫理に反する、精神的な嫌がらせを意味しています。

長い交際期間を経て結婚しても、結婚した途端や子どもが産まれた途端など、相手が逃げられないとわかってからモラハラ化すパターンも多いため「本当は優しい人だから」と自身がモラハラにあっている事に気付けない方も…。

この記事ではモラハラの特徴やモラハラへの対処法、さらに自分でできるモラハラの証拠の集め方、モラハラに関するよくある質問を解説していきます。

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モラハラする人、される人の特徴

モラハラする人間の特徴とは

まずはモラハラをする人のチェックリストで、あなたのパートナーが当てはまっているかチェックしてみてください。

  • 立場の優位性を示したがる
  • 立場の弱い人間に対して威張る
  • 間違っているのは他者で自分は正しいと思い込んでいる
  • SNS上や外出時は別人になる
  • 何日間も無視をする

モラハラの被害者は自分では気づきにくい

モラハラの被害にあっている方は、自分では被害者であることに気付かないこともあります。

「よくある夫婦喧嘩だから」と思っている場合が多いのですが、モラハラと夫婦喧嘩は全く違うものです。

違いは「上下関係がある」という点と「相手に恐怖を感じる」という2点です。

夫婦喧嘩は、対等な関係の2人が自分たちの主張を論じ合います。ヒートアップすることはあっても、手が出たり、怒鳴るという事はありません。

一方でモラハラの場合は、上下関係があるので対等に意見を言い合うことができません。

「これは夫婦喧嘩だから」と思っている方の中で、もし今パートナーを「怖い」と感じる、もしくは「自分は立場が下」と思っている場合、モラハラにあっているという自覚を持ちましょう。

モラハラをする人の3つのサイクル

モラハラをする人は、3つのサイクルを繰り返すと言われています。

「無視をする・小言を繰り返す(蓄積期)」の次は「激しく怒鳴る、暴れる(爆発期)」が訪れ、最後に「謝罪し、やさしい態度をとる(ハネムーン期)」となり、また最初に戻ります。

この3つのサイクルを繰り返すのがモラハラの特徴です。

無視され、怒鳴られた後で、「この前は本当に悪かった」「自分を見捨てないでほしい」「本当にいつも感謝している」といった甘い言葉をプレゼントと一緒に渡される…。こんな事をされると、普段は離婚や別居を考えている方であっても「本当は優しい人だから」「この人を支えられるのは自分だけだから」と思いこんでしまいます。しまいには、「自分がダメだから」「夫婦ってこういうものなんだ」などと考え、負の連鎖にハマってしまいます。

モラハラに効果的な対処法と上手な接し方

別居などで物理的に距離を取る

モラハラを受けている期間が長いと、前項に触れたような負の連鎖にはまってしまいます。そのため、一時的に実家へ帰るなど、物理的に距離を取るのが効果的です。

それが難しい場合は、家庭内で距離をとるのも効果的です。モラハラ夫がリビングにいる時は、自分はお風呂に入ったり寝室に行ったりと別の部屋へ行く。できれば寝室も「寝室の寝具が合わず体が痛い」など理由を付けて、別の部屋に布団を敷いて寝るなど接点をなるべく減らしていきましょう。

もちろん、一気にやると「自分を避けているのか!」と攻める口実を与えてしまうので、徐々に進めていきましょう。最終的には食事の時間や、就寝・起床の時間をずらし、パートナーにとって「攻撃したい相手が近距離にいない」という状況を作り出すことが大切です。

反応を極力おさえる

モラハラ夫は、妻の謝っている姿や困っている姿を見ると、モラハラを余計にエスカレートさせる可能性があります。そのため「必要以上にリアクションしない」ことを心がけてください。

なるべく無表情で「そうだね」などと一言だけ返し、謝る場合も「ごめんなさい」とだけ言って、言い訳をしたり、頭を下げたりしないようにしましょう。

この時、マスクをするのも効果的です。相手に表情が見えなくなるため、こちらの感情の動きを読まれにくくなります。

言いなりにならない

攻撃された時「文句があるなら、自分でやりなさい!」と強く言い返したら、モラハラがなくなったというケースもあります。

現在モラハラを受けている場合、パートナーから攻撃されている時、必要以上に謝ってしまったり、状況説明をして「言い訳するな」と怒鳴られてしまったり、といった経験はありませんか?

モラハラをする人間にとって、攻撃相手のこうした反応こそが一番嬉しいポイントです。

そのため何か攻撃を受けた時は、強く言い返す、それが難しい時は真顔で下を向き「そうね(そうだね)」など短く言いきり、反応を最小限におさえ、相手の言いなりにならないようにしましょう。

マスクをするのもおすすめです。相手に表情が読まれにくくなりますし、会話を自然に減らせるためです。

モラハラの証拠を集めておく

モラハラを受けている場合、モラハラの証拠を残しておくと、後々モラハラが原因で離婚する際、有利に離婚手続きを進められる可能性が増します。また慰謝料請求するときにも役立ちます。

自分でできるモラハラの証拠の集め方

モラハラを録音しておく

モラハラの発言を録音しておくと、モラハラの証拠が残るため有効です。レコーダーやスマートフォンの機能を利用して、モラハラの音声を録音しておきましょう。また侮辱したり暴言が記載されたLINEやメールなどのやり取りも保存しておきましょう。

モラハラの音声や動画を記録することは、より効果的な証拠です。具体的には小型のボイスレコーダーをポケット入れておく、すぐ録音や録画ができるアプリをスマホに入れてモラハラされたと思ったら利用するといった方法があります。

ただし入手方法は注意が必要です。過去に配偶者に無断で自宅にICレコーダーを設置したことが違法行為だとされた事例もあるので注意が必要です。不安な場合は、音声や動画を記録する前に専門家に相談するといいでしょう。

細かく日記をつける

モラハラだと感じたことを細かく日記をつけるのも効果的です。日付や、言われた内容、自分がどう思ったか、どのような状況でそう言われたのか、こうした詳細を記録しておきましょう。

モラハラはこれといった証拠が無く、慰謝料請求が難しいケースもあります。しかしモラハラを詳細に書いた日記は調停で有利になる資料として認められたことがあります。

日記はメモ感覚でもOKですが、なるべく具体的に客観的に書いてください。例えば、「○月○日、夫からデブと言われた。」「○月○日夫に無視された」といった書き方ができるでしょう。日記は、積み重ねると証拠として認められる可能性があります。何かモラハラに対して対策したいと考えているなら、手軽にできる日記をつけることがおすすめです。

医師の診断書をもらう

モラハラによって「うつ」や「不眠」「自律神経失調症」などの症状が出て受診をした場合、医師の診断書は証拠になります。

モラハラによる恐怖感や不安感で心療内科など病院を受信した場合、「夫が帰宅すると思うと具合が悪くなるようになり病院を受診した」などと日記にも記録しておきましょう。

警察や公的機関へ相談する

警察の敷居が高い場合、地域の女性保護センターのような所へ相談してみましょう。自治体の相談窓口などに行くと、記録が残ります。これもモラハラの証拠になるので活用するといいでしょう。

また、現在は夫婦カウンセラーなどもあるので、自分だけでも相談してみると自身の置かれた状況、自分が本当に感じていることを気付くキッカケにもなります。

モラハラに関するよくある疑問

モラハラは治らない?

結論から言うと、モラハラは治りません。「自己愛性パーソナル障害」「アダルトチルドレン」「発達障害」など精神的な病気の一種だとも言われていますが、カウンセリングを受けたからと言って確実に治るという保証はありません。一時的にモラハラがなくなったとしても、時間が経過するとまたモラハラが始まります。

  • 夫の顔色を伺いながら生活している
  • 行動の基準が「夫を怒らせないか」になっている
  • 夫の言動を思い出すと恐怖感や不安感を持つ
  • 何かあると「自分が謝ればいいから」と思ってしまう
  • 結婚前と比べて、精神的に落ち込み、気持ちが暗くなっている

あなた自身にこうした特徴が出ているとしたら、それはモラハラにあっているというサインです。

被害者に落ち度はない?

モラハラの被害者に落ち度はありません。モラハラ夫は、あなたがどれだけ完璧にこなしても必ず何かしら文句をつけるものです。あなたがどんなに頑張っても、モラハラ夫からのモラハラは治りませんし、それはあなたの責任ではありませんから、安心してください。

モラハラを理由に離婚はできる?

双方で話し合って離婚が成立すれば良いのですが、話し合いの結果、離婚条件が合意に至らなかった場合、離婚調停、それでも解決できなければ離婚裁判を行います。

離婚調停になった場合、調停委員といった第三者が客観的に「モラハラの事実」を把握できる証拠が必要です。モラハラをする人間は外面が良いので、第三者が「ただの夫婦喧嘩」「あなたが我慢すればいい」などと思わないように、前述したような「具体的な証拠」を用意しておきましょう。

モラハラによる離婚は簡単に進まないことが多いため、離婚を切り出す前に用意周到な準備が不可欠です。

モラハラに慰謝料を請求することはできる?

モラハラ行為に対して慰謝料を請求することは可能です。

  • モラハラの回数の多さ
  • モラハラの期間の長さ
  • 被害者の落ち度の有無
  • モラハラによる精神への負荷とそれにより異常をきたしたか否か
  • 婚姻期間の長さ
  • 子どもの有無
  • モラハラをするパートナーの資産や収入

こうした条件によって、慰謝料の増減が決まります。慰謝料を請求するためには、モラハラをするパートナーの資産状況や、被害状況の程度などを具体的に証明する必要があるので覚えておきましょう。

モラハラへの効果的な対処法・まとめ

モラハラをする人間は、相手が自分より弱いことを実感して自分の優位性を確かめることに意義を見出しています。

夫婦喧嘩は対等な立場の2人が意見を交わし合うことですが、モラハラの場合は上下関係ができているため、夫婦のどちらかが一方的に攻撃されるケースが多く見られます。

そのため「パートナーが怖い」「自分はパートナーに見下されているように感じる」という場合はモラハラを疑いましょう。

また長い間モラハラを受けていると、自分では気づかない事も…。

そうした場合は家庭内でも物理的に距離をとって、接触を最小限に抑えましょう。

この記事を読んで、モラハラに苦しんでいる方の心が少しでも軽くなれば幸いです。

専門家監修

この記事の著者:探偵社PIO 浮気・素行相談員 S.Y

浮気・素行・離婚関連の相談員プロフェッショナル。相談員歴8年。
年間400人以上もの相談を受けている。

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探偵社PIO編集部監修

本記事は探偵社PIOの編集部が企画・編集・監修を行いました。

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