【これってモラハラ?】チェックリストとモラハラへの効果的な対処法を伝授します

モラハラとは「モラルハラスメント」の略称です。DVと異なり、身体的な暴力はありません。「モラル」つまり道徳や倫理に反する、精神的な嫌がらせを意味しています。
長い交際期間を経て結婚しても、結婚した途端や子どもが産まれた途端など、相手が逃げられないとわかってからモラハラ化すパターンも多いため「本当は優しい人だから」と自身がモラハラにあっている事に気付けない方も…。
この記事ではモラハラの特徴や、夫婦喧嘩との違い、モラハラへの対処法や離婚すべきかどうかを解説していきます。
あなたのパートナーは大丈夫?モラハラの特徴をチェックリストにしました

モラハラチェックリスト!モラハラする人間の5つの特徴
モラハラをする人には主に5つの特徴があります。
□立場の優位性を示したがる:「自分の方が学歴が高い」「自分の実家の方が裕福だから」「誰のおかげで生活できると思ってるんだ」と言って、パートナーを貶めるような発言をし、自身が優位に立とうとします。
常日頃から「あなたは下、こちらは上」と言い続けられると、だんだん自分自身でも「自分ダメな人間なのだ」と思い込むようになってしまうので要注意です。
□立場の弱い人間に対して威張る:モラハラをする人間は、飲み会などで後輩を執拗にいじる、立場の弱い相手、逆らってこない相手には強く出る特徴があります。
外食の際、お店のスタッフへ威張った態度を取ったり、少しのミスに激昂したりするような人は間違いなくモラハラ気質があるでしょう。
□間違っているのは他者で自分は正しいと思い込んでいる:モラハラをする人は常に「自分は正しい」という思い込みに囚われています。パートナーから自分の間違いを指摘されると、大声で怒鳴って威嚇をしたり、無視をしたりして、こちらを精神的に嫌な気持ちにさせます。また、論点を巧みにすり替えて自分が正しい理屈を言っているように見せるのも大得意です。
□SNS上や外出時は別人になる:モラハラをする人間は、パートナーに対して高圧的に出ますが、周囲の人間からは「優しくていい人」と思われたがる傾向にあります。そのため、家では家事も育児もいっさいせず、パートナーにモラハラを繰り返しているのに、SNSなどには子どもやパートナーを「可愛い」「いつも感謝」などの言葉を沿えてアップしていることも…。周囲の人も「あの人は子煩悩」「パートナーは幸せね」などと好印象を持ってしまいます。
家と外でのあまりの態度の違いに戸惑いや不安、恐怖を感じ、こんなパートナーと一緒に暮らしていたら自分がおかしくなってしまう!と危機感を抱いても不思議ではありません。
□何日間も無視をする:モラハラをする人間はパートナーを自分の思い通りに動かしたいもの。そのため、パートナーが自身の思い通りにならないと、無視をします。これは突然始まり、長期間にわたって続きます。無視されている方は、なぜこんな事をされるのかわからず「次はいつ無視が始まるのだろう?」「無視されるような自分が悪いのかな」とつらい気持ちになるでしょう。
こんな事をしてくる人間と一つ屋根の下で暮らすことは、精神衛生上よくないことであり、別居や離婚を考えるのも当然のことです。
夫婦喧嘩とモラハラは何が違う?
モラハラの被害にあっている方は、自分では被害者であることに気付かないこともあります。
「よくある夫婦喧嘩だから」と思っている場合が多いのですが、モラハラと夫婦喧嘩は全く違うものです。
違いは「上下関係がある」という点と「相手に恐怖を感じる」という2点です。
夫婦喧嘩は、対等な関係の2人が自分たちの主張を論じ合います。ヒートアップすることはあっても、手が出たり、怒鳴るという事はありません。
一方でモラハラの場合は、上下関係があるので対等に意見を言い合うことができません。
「これは夫婦喧嘩だから」と思っている方の中で、もし今パートナーを「怖い」と感じる、もしくは「自分は立場が下」と思っている場合、モラハラにあっているという自覚を持ちましょう。
「本当は優しい人だから」という考えは危険!
モラハラをする人は、3つのサイクルを繰り返すと言われています。
「無視をする・小言を繰り返す(蓄積期)」の次は「激しく怒鳴る、暴れる(爆発期)」が訪れ、最後に「謝罪し、やさしい態度をとる(ハネムーン期)」となり、また最初に戻ります。
この3つのサイクルを繰り返すのがモラハラの特徴です。
無視され、怒鳴られた後で、「この前は本当に悪かった」「自分を見捨てないでほしい」「本当にいつも感謝している」といった甘い言葉をプレゼントと一緒に渡される…。こんな事をされると、普段は離婚や別居を考えている方であっても「本当は優しい人だから」「この人を支えられるのは自分だけだから」と思いこんでしまいます。しまいには、「自分がダメだから」「夫婦ってこういうものなんだ」などと考え、負の連鎖にハマってしまいます。
モラハラに苦しんでいるなら!効果的な対処法を伝授します

パートナーと物理的に距離をとる
モラハラを受けている期間が長いと、前項に触れたような負の連鎖にはまってしまいます。そのため、一時的に実家へ帰るなど、物理的に距離を取るのが効果的です。
別居が難しい場合「家庭内で境界線をひく」のも効果的です。
モラハラするパートナーがリビングにいる時は、自分は寝室へ行く。パートナーが寝室にいる時は自分がリビングへ行く。
「寝室の寝具が合わず体が痛い」など理由を付けて、別の部屋に布団を敷いて寝るなど接点をなるべく減らしていきましょう。もちろん、一気にやると「自分を避けているのか!」と攻める口実を与えてしまうので、徐々に進めていきましょう。
最終的には食事の時間や、就寝・起床の時間をずらし、パートナーにとって「攻撃したい相手が近距離にいない」という状況を作り出していきましょう。
言いなりにならない
攻撃された時「文句があるなら、自分でやりなさい!」と強く言い返したら、モラハラがなくなったというケースもあります。
現在モラハラを受けている場合、パートナーから攻撃されている時、必要以上に謝ってしまったり、状況説明をして「言い訳するな」と怒鳴られてしまったり、といった経験はありませんか?
モラハラをする人間にとって、攻撃相手のこうした反応こそが一番嬉しいポイントです。
そのため何か攻撃を受けた時は、強く言い返す、それが難しい時は真顔で下を向き「そうね(そうだね)」など短く言いきり、反応を最小限におさえ、相手の言いなりにならないようにしましょう。
マスクをするのもおすすめです。相手に表情が読まれにくくなりますし、会話を自然に減らせるためです。
さまざまな記録をつけておく
パートナーからのモラハラを受けている場合、日記などに詳細に記録しておくことをおすすめします。離婚する際、下記のような証拠を残していると、有利に離婚手続きを進められる可能性が増します。
1・モラハラ内容を記載した日記:日付、状況、相手の言動や行動を具体的に記録しておきましょう。
2・録音、録画のデータ:モラハラの現場を録音、録画したデータも証拠として有効です。
3・メールやLINEでのやり取り:パートナーを侮辱したり非難したりするような内容のものがあれば、保存しておきましょう。
4・医師の診断書:パートナーからのモラハラによって「うつ」や「不眠」「自律神経失調症」などの症状が出て受診をした場合医師の診断書は証拠になります。
5・警察や公的機関への相談:警察の敷居が高い場合、地域の女性保護センターのような所へ相談してみましょう。こうした機関へ相談した内容は、相談票といった形式で保存される事が多いため、日記やメモの内容と照らし合わせてモラハラを証明することに役立ちます。
パートナーのモラハラは治る?離婚して慰謝料を請求したい!

モラハラは治らない
モラハラは治りません。「自己愛性パーソナル障害」「アダルトチルドレン」「発達障害」など精神的な病気の一種だとも言われていますが、カウンセリングを受けたからと言って確実に治るという保証はありません。
モラハラを理由に離婚する際に用意しておきたいもの
双方で話し合って離婚が成立すれば良いのですが、離婚調停になった場合、調停委員といった第三者が客観的に「モラハラの事実」を把握できる証拠が必要です。
モラハラをする人間は外面が良いので、第三者が「ただの夫婦喧嘩」「あなたが我慢すればいい」などと思わないように、前述したような「具体的な証拠」を用意しておきましょう。
モラハラに慰謝料を請求することはできる?
モラハラ行為に対して慰謝料を請求することは可能です。
・モラハラの回数の多さ
・モラハラの期間の長さ
・被害者の落ち度の有無
・モラハラによる精神への負荷とそれにより異常をきたしたか否か
・婚姻期間の長さ
・子どもの有無
・モラハラをするパートナーの資産や収入
こうした条件によって、慰謝料の増減が決まります。慰謝料を請求するためには、モラハラをするパートナーの資産状況や、被害状況の程度などを具体的に証明する必要があるので覚えておきましょう。
モラハラの特徴は?効果的な対処法・まとめ
モラハラをする人間は、相手が自分より弱いことを実感して自分の優位性を確かめることに意義を見出しています。
夫婦喧嘩は対等な立場の2人が意見を交わし合うことですが、モラハラの場合は上下関係ができているため、夫婦のどちらかが一方的に攻撃されるケースが多く見られます。
そのため「パートナーが怖い」「自分はパートナーに見下されているように感じる」という場合はモラハラを疑いましょう。
また長い間モラハラを受けていると、自分では気づかない事も…。
そうした場合は家庭内でも物理的に距離をとって、接触を最小限に抑えましょう。
この記事を読んで、モラハラに苦しんでいる方の心が少しでも軽くなれば幸いです。