別居中の浮気は許される?不貞行為にならない条件とは
夫婦間において、浮気=不貞行為は許されないものです。不貞行為は慰謝料請求の対象となり、これを理由として離婚も認められるもの。しかし、条件が合えば浮気をして愛人がいるとしても、離婚・慰謝料請求が認められないこともあるのです。そこで今回は「浮気が許される」と言われるパターンについて解説します。みなさんの中には「探偵に依頼して浮気の証拠を集めたい」という方もいるかもしれませんが、その前に「本当に浮気?」という点をいま一度考え直してみましょう。
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浮気とは?浮気するとどうなる?
夫婦の間において、浮気とは「不貞行為」を指します。夫婦である夫と妻は、法律的な結びつきのある社会的立場です。この関係は民法で守られており、不貞行為によってどちらか一方が関係を破綻させると、
・慰謝料請求の対象になる
・これを理由に離婚を請求できる
この2つの権利が浮気をされた側に発生します。記事冒頭でもお伝えしましたが、よく「条件が揃えば浮気が許されるケースがある」と言われるように、この慰謝料請求や離婚の要求は「条件がそろった上での浮気」であることが前提です。転じて、浮気をしたにもかかわらず慰謝料請求や離婚の要求ができないというケースもあります。ただ、この場合金銭・離婚の要求ができないだけで浮気が「許される」わけではないため、夫婦関係の悪化は免れないと考えてよいでしょう。
では、浮気だと認められにくい条件とはどのようなものなのでしょうか。次に浮気をしたにもかかわらず慰謝料請求・離婚が要求できないケースについて解説していきます。
「浮気」と認められにくい条件とは
慰謝料請求ができない=浮気だと認められにくい、ということですが、その条件をここではご紹介します。
別居中である
まずは別居中のパターンです。別居中といっても細かく分けるとさまざまな状況が考えられますが、数年~数十年に及ぶ長期的な別居であり、夫婦としての形や実態が保てていなければ、その際に浮気をしても慰謝料請求が認められにくいです。元を考えてみると、「慰謝料」とは「浮気によって受けた精神的ダメージを金銭に変えたもの」ですよね。別居期間が長く、お互い独身と変わりのない生活を過ごしているのであれば、浮気・不倫によって起こる精神的苦痛は少ないと法律では考えられます。
これは典型的な「浮気が許される」と呼ばれるケースで、もし浮気の話を聞き自分でも配偶者の浮気の気配に気づいたとしても、夫婦の関係が別居中に破綻しているようであれば浮気とは認められないことを頭に入れておきましょう。探偵や興信所に浮気調査を依頼する前に、「別居に関して離婚を前提としたものだったか」「お互い連絡を取り合ってない期間が数年に及んでいないか」などを確認することをおすすめします。
離婚調停中、裁判中である
離婚に向けて具体的な話し合いをしている段階では、浮気をしても慰謝料請求の対象とは認められにくいです。というのも、離婚を前提に行動する夫婦の仲が「破綻していない」とは言いにくく、さらに近日中に離婚することが予想できるからです。
夫婦の仲が破綻している
こちらは「別居中」と同様の意味を持ちますが、夫婦の仲が破綻している状態であれば浮気をしても慰謝料請求はできません。この「夫婦関係の破綻」は最も争われるポイントで、一方から見ると破綻しているが、もう一方から見ると破綻しているとは思えないといった、意見の不一致がよくあるからです。
後ほど説明しますが、例えば離婚を前提に別居しているケースでは明らかに夫婦関係の破綻が認められます。また、家庭内で一緒に暮らしていたとしても、生活費のやりとり以外一切の会話がなく、家庭内別居状態であれば夫婦関係の破綻が認められたケースも存在します。この点に関しては状況によって判定がさまざまで、一概には「○○だから夫婦関係が破綻している」とは言い切れないのが現状です。
注意!夫婦関係が破綻しているとは「言えない」ケース
ここからは別居中ではあるけれど「夫婦関係が破綻している」とは言えないケースをまとめてみました。これまで別居中の浮気について解説しましたが、「それだと我が家のパターンは浮気と言えないかも…」と不安になるのは時期尚早です。パートナーの浮気を許したくない、暴きたいと思う方は、以下に当てはまるものがないかどうかをチェックしてみましょう。
別居期間が短い
夫婦が別居を選んだとしても、時間があまり経過しておらずほとんど「別居中」とは呼べないうちは夫婦関係の破綻は認められません。よってこのとき愛人を作ったとしても、浮気をされた側は慰謝料を要求することができます。また、別居をするにあたって「離婚の話し合い」をしているかどうかも着目される点です。まだ離婚に対しての話もしていない1年以内の別居期間中などであれば、夫婦関係の破綻なしの不貞行為と認められるでしょう。
離婚を前提とした別居ではない
夫婦が別居するのは、なにも「離婚ありき」ではありません。今後の関係を考えて冷却期間として別の住まいで暮らすこととなった、という場合であれば、その時点では夫婦関係の破綻は認められないのです。
ただし離婚を前提としない、一定期間が過ぎたらもう一度同居する予定である、という取り決めは、口約束だけだと心もとない印象があります。いざ浮気が発覚し、慰謝料請求や離婚の要求をした途端に「離婚前提の別居であった」と、パートナーが夫婦関係の破綻を主張する可能性も出てくるのです。そのため、冷却期間として別居を選んだ場合でも、最初に二人の中で決めた約束などは書面に書き起こし、記録・署名しておくのがおすすめです。
単身赴任や介護・育児のために里帰りなどで別居した
里帰り出産や親の介護のため、また仕事上の単身赴任などが長引き、数年にわたるケースもあるでしょう。このときの別居中は、夫婦関係が破綻しているとは言えません。よって別居中に発覚した浮気は立派な不貞行為。慰謝料の請求が認められやすいです。
このとき注目すべき点は「別居に合理的な理由がある」というところ。また、目的が終われば将来的に夫婦が一緒に暮らすこととなるため、お互いに貞操を守る義務があります。
しかし、浮気調査をする調査機関の目線から見ると、特に「妻が出産・育児のために里帰り中」という別居のパターンは浮気が増えやすいとも言えます。夫婦が別に暮らすことで相手にバレることなく浮気ができるからです。別れて過ごす間は連絡をまめに取るようにし、怪しいと思ったらメモや記録に残しておくなど、相手の様子をしっかり伺うことをおすすめします。
別居中、離婚の話が出ていない
別居をしたとしても、離婚の話が出ていなければ夫婦関係の破綻は認められにくいです。例え別居の理由が喧嘩や夫婦のいざこざだったとしても、「離婚を考えて」行う別居とは言い切れず、先ほどもお伝えした「冷却期間として」の別居だともいえるからです。このときもどちらか一方が「夫婦としての関係は終わった」と考えて浮気をすると、された側としては「離婚するつもりはなかった」として慰謝料請求が可能となります。
一方的に家を出ていった別居
「ある日突然配偶者が姿を消して、別のところで生活を始めた」というケース。これは双方で離婚の合意がないため、これまでご紹介してきた状況と同様に夫婦関係の破綻は認められません。ただ、この突然の家を出ていった別居に関しては、「相手が浮気をしているかも」という観点では注意が必要です。もし浮気相手とすぐに再婚したい、だけど離婚の話が進まないというのであれば、強硬手段として家を出て愛人と暮らす方も中にはいます。
この点を理解しておくと、「妻・夫が突然出ていったから別居中で浮気にはならない…」と考える必要はありません。ただし別居期間が数年以上と長引けば、それ自体が離婚事由になることも考えられます。浮気を調べる際も、早めの行動がおすすめです。
別居婚
仕事やさまざまな状況があり、住まいを共にしていないけれど夫婦関係となる、いわゆる「別居婚」。こちらも離婚を前提とした別居ではないため、どちらかに不貞行為があれば慰謝料を請求できます。こうした別居だと長年世帯が別であったとしても、夫婦関係の破綻だとは認められないのです。
別居とひとくちに言っても、その状況はさまざま。別居中もお互いに連絡を取り合っているか、会う機会があるか、お互いに納得の上での別居であるかなども考える必要があるため、「夫婦関係の破綻」を立証するのは難しいとされています。
家庭内別居の場合
家庭内別居とは、夫婦関係が破綻しているものの別居する道を選ばず、ひとつ屋根の下で一緒に暮らしている状態です。実は「家庭内別居」の定義は決まっておらず、
・会話が一切ない
・1階と2階など、居住空間が分かれていて顔も合わせない
・家計が別々になっている
・男女としての愛情を感じていない
など、各家庭によってさまざまです。しかし前提として「夫婦の関係が破綻している認識がお互いにある」ことが大切です。すると家庭内で一緒に暮らしているけれど、この記事冒頭でご紹介したような「別居中」と何ら変わりません。
よって家庭内別居中に浮気をしても、慰謝料請求が認められないことがほとんどです。ただしこの家庭内別居=夫婦関係の破綻は定義がない故に証明も難しく、裁判でも論点になりやすいと言われています。
このときも家庭内別居となった状況が、長期間維持されていることが前提です。夫婦喧嘩のために数日だけ家庭内別居状態になった、というだけでは夫婦関係の破綻とは認められにくいので、その状態で浮気をすれば不貞行為となります。
別居中・単身赴任中の浮気調査の注意点
ここからは「夫婦関係の破綻とはならない」別居中、単身赴任中の浮気調査の注意点をご紹介します。最も気になるのが「住んでいる地域外の調査は可能なの?」という点ですよね。以下に解説しているので、参考にしてみてください。
調査対象エリアに詳しい探偵を選ぶ
別れて暮らす間、配偶者が浮気している気がする。里帰り出産中、浮気相手と配偶者が会っているのではないか。そんな気配があれば、遠く離れて暮らしているからこそ、プロの力に頼ることをおすすめします。このとき大切なのは、探偵を選ぶときには面談や打ち合わせがしやすい「自宅近くの探偵」がセオリーですが、調査して欲しい地域が居住エリア外である場合は、その土地に詳しい探偵を選びましょう。
浮気調査では「張り込み」「聞き込み」「尾行」などの手段で進めていきますが、不審に思われない張り込みスポットや尾行ルートの把握など、土地勘が重要です。いくら優秀な探偵でも慣れない地域での調査では、思うように実力が発揮できないかもしれません。その土地に支店を出す大手探偵事務所を選ぶ、一度現地に行き探偵を選ぶなど、普段とは異なる工夫が重要です。
派遣料や出張料に注意!
では、自宅近くの探偵で遠方にある土地の浮気調査は依頼できないかというと、そうではありません。中にはその土地に詳しい調査員がいて、出張調査という形で引き受けてくれることもあるでしょう。
このとき、基本的な調査料金の他に出張費用もかかる場合がほとんどです。調査員の数だけ出張料金がかかるのであれば、ひとつの浮気調査にかかる調査員は複数人にのぼるため、通常の価格よりも割高になることが予想できます。はじめの面談や相談の段階で、出張調査にはいくらかかるのかしっかり見積もりを取っておきましょう。また、料金と合わせて「普段は調査しないエリア」でも十分な成果が得られる探偵なのかどうか、信頼できるかを慎重に検討することをおすすめします。
まとめ
夫婦間のトラブルとしてなくならない浮気・不倫。しかし、離婚を前提に別居をしていたり夫婦仲が破綻していると証明できたりすれば、その期間に始まった不貞行為は慰謝料請求できない可能性もあります。浮気が発覚して本格的に調べる前に、また、離婚の話を持ち出す前に状況を一度確認してみましょう。また、夫婦関係の破綻と言えない別居中であれば、探偵や興信所の浮気調査を利用して、確かな証拠を集めて問題を解決することをおすすめします。一人で悩まず、専門家にまずは相談してみてください。
この記事の著者:探偵社PIO 浮気・素行相談員 S.Y
浮気・素行・離婚関連の相談員プロフェッショナル。相談員歴8年。
年間400人以上もの相談を受けている。
探偵社PIO編集部監修
本記事は探偵社PIOの編集部が企画・編集・監修を行いました。