夫はモラハラ?モラハラ夫を見抜くチェックポイントやモラハラへの対策も紹介

最近よく耳にするようになった「モラハラ」という言葉。モラハラとは「モラルハラスメント」の略であり、直接的な暴力ではなく、暴言や無視などの態度で相手に精神的な苦痛を与える行為を意味しています。
モラハラはDVの一種として数えられており、れっきとした離婚事由に該当する行為です。
とはいえ、モラハラと聞いても自分が置かれている状況がモラハラに該当するのかについては、判断しにくいもの。
この記事ではモラハラをする夫に苦しんでいる、悩んでいるという方向けに、モラハラと夫婦喧嘩との違い、モラハラを見抜くチェックポイント、モラハラ夫への対策を解説していきます。
これってモラハラ?夫婦喧嘩?二つの違いは?
夫婦喧嘩は?
どんなに仲のいい夫婦でも必ずするのが「夫婦喧嘩」です。夫婦喧嘩の場合は、お互いが対等な立場で自分の考えや意見を相手に伝えます。
夫婦喧嘩の場合はお互いの意見を出し合った後、夫婦間で話し合い、どうすれば解決できるのかを2人で模索していきます。互いの意見を尊重し、譲り合い、2人の妥協点を構築していく大切な作業ともいえます。
モラハラは?
対等な立場でお互いの意見を言い合う夫婦喧嘩と異なり、モラハラの場合は夫婦間で上下関係ができているのが大きな特徴です。
そのため上の立場にいる方が、下の立場にいる方を無視したり暴言をはいたりして、話し合いになりません。夫婦で話し合っている時、夫の態度はどうですか?
「どうせお前はダメなんだから」「俺のいう事を聞いていればいい」というように、夫の意見を聞くばかりで、あなたの意見や意思を尊重してもらえない場合、モラハラを疑ってもいいでしょう。
またモラハラの場合、被害者の多くは「恐怖感や不安感」を持っています。夫に対して、「怒らせてはいけない」「言う事に従わなければいけない」と、恐怖感や不安感を持っていませんか?
あなたが恐怖心や不安感を抱いているならモラハラを疑って
第三者など客観的な立場であれば「それはモラハラではないか」と気付きやすいものですが、自分自身のこととなると気付けないことが多々あります。
あなた自身が、夫に恐怖感や不安感を持っていませんか?
無意識のうちに「夫は自分より立場が上」「私は従わないといけない」と上下関係ができていないでしょうか。
もし当てはまるなら、自分はモラハラにあっているのかも、と危機感を持ちましょう。
モラハラを見抜くための特徴8つ
社会的に一定の地位や職業に就いている
モラハラ夫は、社会的に一定の地位に就いており、妻には専業主婦であることを望むパターンが多くみられます。これは妻との対等関係を失わせるためです。
「きみは働かなくてもいいよ、俺が稼ぐから」と聞くと、とても優しい夫のように感じてしまいますが、時間が経つと「誰のおかげでご飯が食べられると思っているんだ」や「お前は何もしていない」「俺くらい稼いでからものを言え」などといって攻撃してくることも。
コミュニケーション能力が高い
モラハラ夫はコミュニケーション能力が高く、友人が多い、または会社の人から「いい人」と思われる事が多いです。
モラハラ夫は自分が強く出られる相手、下手に出た方がいい相手を見極める能力があるため二面性があるのも特徴です。友人や先輩、上司には下手に出たり、良い恰好をしたがったりするので周りからも「いい奴」と思われている半面、後輩など自分が強く出られる相手にはイジメのような態度をとることも。
一見すると飲み会で場を盛り上げるムードメーカーでも、自分に逆らえない後輩や若い女性社員を選んで執拗に弄ったり、相手をけなして笑いをとったり……あなたの夫はこんな事をしていませんか。
暴力はふるわない
モラハラ夫は、証拠が残りやすい暴力はふるいません。その代わり、暴言やあなたの人格を否定するようなことをいって精神的に追い詰めます。
そのため「私の夫は暴力をふるわないから大丈夫」と、自分がモラハラにあっていることに気が付かない方もいらっしゃいます。
モラハラはDVの一種であり、立派な離婚事由ですので覚えておいてください。
定期的に優しくする
モラハラ夫の特徴として、優しい時期とモラハラ時期を繰り返すというものがあります。
SNSで妻のことを「世界一大切な人」や「いつもありがとう」など愛情に溢れた投稿をして、サプライズプレゼントを渡すなんてことも。
その後、「お前は何てダメな奴なんだ」「お前なんかと一緒に暮らせるのは自分だけ」などと言って、厳しく当たってきます。
優しい時の一面と、モラハラになる時の一面は、ひじょうに極端であり、妻が恐怖感や不安感を持つのは当然のことでしょう。
自分が悪いことをしているという自覚がない
モラハラ夫はうぬぼれが強く、自分が正しい、自分は賢いといった考え方を持っています。そのため「妻に悪いことをしている」という自覚がありません。
「出来の悪い妻を教育してあげている」とすら考えているかもしれません。あなたの夫はどうですか?あなたの人格を否定したり、ひどい暴言をはいたりすることを、悪いと認識しているでしょうか。
論点をずらす・責任転嫁が得意
モラハラ夫は論点を巧妙にすり替え責任転嫁するのもお手の物です。何か相談した時に「きみの好きにしていいよ」と言われたのに、いざ結果が出ると「これは失敗だ」「お前のせいでダメになった」と責められた経験はありませんか?
他にも、モラハラ夫が怒って家具に八つ当たりし、家具が壊れた時などに「お前が俺を怒らせたから家具が壊れた」と責任転嫁をすることも。
モラハラ夫は、困った局面でとっさに言い返せない弱い相手を、巧みに見抜むいています。
口をだすが自分はやらない
モラハラ夫の特徴として、人のやることに文句をつけるが自分はやらないといったものがあります。
「●●ができてないよ」「××するのを忘れてるよ」と文句だけ言って、妻に全てをやらせようとします。もちろん、妻が指示されたことをやった後は、重箱の隅を楊枝でほじくるように些細なことを見つけて責めてきます。
妻が外部と関わるのを嫌がる
モラハラ夫は妻が外部と関わるのを嫌がります。実家に帰ったり、パートなどで働いたりするのを禁止されていませんか?
モラハラ夫は嫉妬深く、妻の行動を把握したがり、行動を逐一報告させたりしてきます。
実家に帰るのに夫の許可が必要、友人に会うのを制限されている、こんな経験はあるならモラハラ被害者かもしれないと危機感を持ちましょう。
モラハラ夫から自分を守るための対策
別居などで物理的に距離を取る
まずは物理的に距離を取ることが大切です。モラハラを実際に受けている人は、自分がモラハラに合っていることに気が付けないもの。「体調が悪い」など理由をつけて実家に帰るなどして物理的に距離を取りましょう。
それが難しい場合は、家庭内で距離をとるのも効果的です。モラハラ夫がリビングにいる時は、自分はお風呂に入ったり寝室に行ったりと別の部屋へ行く。できれば寝室も「最近寝具が合わない」など理由をつけて、別々にするといいでしょう。
「攻撃したい相手が目の前にいない」という状況を作りだすことが大切です。
反応を極力おさえる
モラハラ夫は、妻の謝っている姿や困っている姿を見ると、モラハラを余計にエスカレートさせる可能性があります。
そのため「必要以上にリアクションしない」ことを心がけてください。
なるべく無表情で「そうだね」などと一言だけ返し、謝る場合も「ごめんなさい」とだけ言って、言い訳をしたり、頭を下げたりしないようにしましょう。
この時、マスクをするのも効果的です。相手に表情が見えなくなるため、こちらの感情の動きを読まれにくくなります。
モラハラを記録しておく
モラハラの発言を録音しておくと、モラハラの証拠が残るため有効です。レコーダーやスマートフォンの機能を利用して、モラハラの音声を録音しておきましょう。また暴言が記載されたLINEやメールなどのやり取りも保存しておいてください。
細かく日記をつける
細かい日記をつけるのも効果的です。日付や、言われた内容、自分がどう思ったか、どのような状況でそう言われたのか、こうした詳細を記録しておきましょう。
モラハラによる恐怖感や不安感で心療内科など病院を受信した場合、「夫が帰宅すると思うと具合が悪くなるようになり病院を受診した」など、記録しておくのをお忘れなく。
専門家に相談する
自治体の相談窓口などに行くと、記録が残ります。これもモラハラの証拠になるので活用するといいでしょう。
また、現在は夫婦カウンセラーなどもあるので、自分だけでも相談してみると自身の置かれた状況、自分が本当に感じていることを気付くキッカケになります。
モラハラは治らない!悩んでいる場合は専門家へ相談を
モラハラは治らない
結論から言うと、モラハラは治りません。一時的にモラハラがなくなったとしても、時間が経過するとまたモラハラが始まります。
・夫の顔色を伺いながら生活している
・行動の基準が「夫を怒らせないか」になっている
・夫の言動を思い出すと恐怖感や不安感を持つ
・何かあると「自分が謝ればいいから」と思ってしまう
・結婚前と比べて、精神的に落ち込み、気持ちが暗くなっている
あなた自身にこうした特徴が出ているとしたら、それはモラハラにあっているというサインです。
被害者に落ち度はない
モラハラの被害者に落ち度はありません。モラハラ夫は、あなたがどれだけ完璧にこなしても必ず何かしら文句をつけるものです。あなたがどんなに頑張っても、モラハラ夫からのモラハラは治りませんし、それはあなたの責任ではありませんから、安心してください。
悩んでいる場合は専門家へ相談する
モラハラに悩んでいる場合、自治体の窓口や夫婦カウンセラー、弁護士や探偵事務所などの専門家へ相談してみましょう。
自治体の相談窓口はモラハラやDVに悩んでいた事の記録が残せます。夫婦カウンセラーに相談を行った場合もカウンセリング内容などを記録として活用できます。
弁護士や探偵事務所であれば、無料相談などでアドバイスを受けられることがあるので利用するといいでしょう。
夫はモラハラ?悩んでいるなら専門家へ相談してみよう
モラハラは自分自身が受けている場合は気が付かない場合が多いのが特徴です。
「優しい時もあるから」「暴力はふるっていないから」と現実から目を背けていませんか?
もしあなた自身が現在、夫の顔色を伺って生活していたり、結婚前と比べて気持ちが暗く落ち込んでたりするなら、自分はモラハラ被害にあっているのかも、と危機感を持ちましょう。
モラハラの被害者に落ち度はいっさいありません。どんなに完璧にこなしても、いくら努力をしても、モラハラ夫は別の角度や切り口を見つけて、あなたを攻撃してくるでしょう。
現状を変えたいと思っているなら、思い切って専門家へ相談してみましょう。