横領罪と窃盗罪の違いとは?法的違いについて徹底解説!
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横領罪とは
法的定義
日本の刑法では、横領罪は第253条に規定されています。この条文によると、他人の財物を占有する者が、その財物を横領した場合に横領罪が成立します。ここで重要なのは、「他人の財物を占有する者」という表現です。これは、加害者が法的にその財物を一時的に管理する立場にあることを意味します。たとえば、会計担当者が会社の資金を私的に使う場合や、預金を管理する銀行員が顧客の預金を着服する場合などが該当します。
横領罪の要件
横領罪が成立するには、以下の要素が必要です。
1.被害物の占有
加害者は他人の財物を法的に占有している必要があります。これは物理的な保管に限らず、財務上の管理も含まれます。
2.意図的な不正行為
加害者には、財物を不正に使用するか、または自己の物として占有する意図が必要です。この意図は、単に誤用にとどまらず、故意によるものでなければなりません。
3.信頼関係の背信
横領罪は、信頼関係の背信によって特徴付けられます。加害者は被害者から財物の管理を任されており、その信頼を裏切る形で犯罪を犯します。
横領罪の種類
一般横領罪(刑法第253条)
これは最も基本的な横領罪で、他人の財物を占有する者が、その財物を横領した場合に適用されます。例えば、会社の資金を私的に使用する従業員などが該当します。この罪は、単純な窃盗と異なり、加害者が財物を合法的に保管・管理していた立場にあることが特徴です。
職務横領罪(刑法第254条)
公務員やその他の職務上財物を管理する者が、その職務を悪用して財物を横領する場合に適用されます。この罪種は、職務上の責任と信頼性に焦点を当てており、例えば公務員が公金を着服した場合などがこれに該当します。
信託財産横領罪(刑法第255条)
信託された財産を管理する者が、その財産を横領する場合に適用される罪です。例えば、遺産の管理人が遺産を不正に使用するケースなどがこれにあたります。信託関係の重大な裏切りが問題となります。
法的な考察
横領罪の法的な考察では、単に物理的な盗難とは異なり、加害者が財物を管理する立場にあることが重要な要素となります。このため、横領は信頼関係の背信という点で、道徳的にも、法的にも重大な犯罪とされています。また、横領罪の成立には明確な意図が必要であり、単なる過失や誤用では通常、横領罪とはみなされません。
窃盗罪とは
法的定義
窃盗罪の法的定義は、他人の財物を窃取する行為です。日本の刑法第235条に定義されています。この行為には、他人の所有する財物を、その人の意志に反して秘密裏に持ち去ることが含まれます。これは、財物を占有することを意図し、その財物を他人から不法に奪う行為とされます。
要件
窃盗罪の成立には、以下の要件が必要です。
1.物の占有
窃盗の対象となる物は、他人が占有している財物でなければなりません。
2.意図的な行為
加害者は、他人の財物を意図的に、不法に取得しようとする意志を持っている必要があります。この意図は、財物を自己のものとして占有しようとする意図です。
3.秘密裏の実行
窃盗は秘密裏に行われる必要があります。公然と行われる場合、それは窃盗罪とはみなされません。
種類
窃盗罪にはいくつかの種類があります。
一般窃盗
最も基本的な形態で、単に他人の財物を秘密裏に盗む行為です。
侵入窃盗: 他人の住居や建物に不法に侵入し、財物を盗む行為です。この種類は、侵入による重大性を反映して、より厳しい罰則が適用されることがあります。
車上荒らし: 自動車内の財物を盗む行為。車内に放置された財物を狙った窃盗です。
万引き
商店などから財物を秘密裏に持ち去る行為です。日常的な場面で多く発生する窃盗の形態です。
スリ
人々の身体から直接財物を盗む行為。特に人込みでのスリがこのカテゴリに含まれます。
法的な考察
窃盗罪は、その行為が秘密裏に行われることが重要な要素です。これは、加害者が被害者の意志に反して財物を奪うことを意味し、社会の秩序や安全に対する脅威と見なされます。罰則は、犯行の程度や被害の大きさ、犯行の方法によって異なりますが、一般には懲役刑や罰金刑が科されます。窃盗罪の判定には、加害者の意図や行為の具体的な状況が詳細に検討されることが一般的です。
横領と窃盗はどのように区別しているの
横領と窃盗はどちらも他人の財物を不正に取得する犯罪ですが、その行われる状況や加害者と財物との関係において大きな違いがあります。
横領:信頼関係の背信
横領は、加害者が元々財物を管理または保管する立場にある場合に起こります。この状況では、何らかの信頼関係が存在しており、その信頼関係の下で財物が託されています。横領の典型例としては、従業員が会社の資金を私的に使用するケースや、遺産管理人が遺産を不正に使うケースなどがあります。横領の特徴は、加害者が初めから財物を合法的に管理しており、その信頼を裏切る形で不正行為に及ぶ点にあります。
窃盗:直接的な不法行為
対照的に、窃盗は加害者が財物を占有していない状態から行動を開始する犯罪です。窃盗の場合、加害者は被害者から直接的な信頼を受けておらず、他人の財物を秘密裏に持ち去ります。例えば、他人の家から物を盗む、店舗から商品を盗む(万引き)、人々の身から直接財物を盗む(スリ)などが窃盗に該当します。窃盗の特徴は、加害者が外部から不法に財物にアクセスし、それを奪う点です。
加害者と財物の関係性
横領と窃盗の区別をする際の重要なポイントは、加害者と財物との関係性です。横領では、加害者は元々財物に対して何らかの正当な権限や管理の責任を持っています。これに対し、窃盗では加害者は最初から財物に対して不法な意図を持って行動を起こします。
犯罪行為の背景
横領の状況では、信頼関係の背信が重要な要素となります。加害者は、他人から託された責任を裏切り、不正に財物を利用します。一方、窃盗では、加害者が被害者に対して直接的な信頼関係を持たず、単に他人の財物を不法に奪う行為です。
法的対応と社会的影響
横領の場合、加害者は元々信頼を受けていた立場を悪用しています。このため、信頼関係を重視する職場や組織内での横領は、組織の信頼性や倫理的基準に深刻な影響を及ぼす可能性があります。一方で窃盗は、外部からの攻撃的な行為として捉えられることが多く、個人の安全や財産の保護に関わる問題として取り扱われます。
加害者の意図と行動
横領では、加害者は元々財物を管理する立場にあり、その立場を利用して不正行為に及びます。これは、財物に対する権限の乱用として捉えられます。対して、窃盗は加害者が財物に対して持つ意図が初めから不法であり、秘密裏に財物を奪う行為です。
横領と窃盗はどちらの罪が重い?
横領罪の規定(刑法第253条)
横領罪は、刑法第253条で規定されています。この条文では、「他人の財物を占有する者が、その財物を横領したときは、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」と定められています。横領罪の場合、罰則は最大で10年の懲役または50万円以下の罰金とされており、加害者が信頼関係を背信する行為の重大性が反映されています。
窃盗罪の規定(刑法第235条)
一方、窃盗罪は刑法第235条で定められており、「人の財物を窃取した者は、10年以下の懲役に処する」と規定されています。窃盗罪における罰則は最大で10年の懲役となっており、これは他人の財物を不法に奪取する行為の重大性を示しています。
比較と考察
横領と窃盗の罪に対する最大刑の範囲を比較すると、両罪とも最大で10年の懲役という点で同等の重さを持っています。しかし、横領罪には罰金刑の選択肢が含まれている点で、窃盗罪とは異なります。窃盗罪の場合、罰則は懲役刑のみとなっており、罰金刑の選択肢はありません。
罪の重さを評価する際には、単に法定上の最大刑を比較するだけでなく、それぞれの犯罪の性質や社会的影響も考慮する必要があります。横領罪は信頼関係を背信する行為として、組織や個人間の信頼を損なう重大な影響を及ぼす可能性があります。一方で、窃盗罪は個人の財産権を侵害する行為として、社会的秩序や安全に対する直接的な脅威を示します。
両罪の罪重は法的に同等と見なされる場合が多いものの、具体的なケースによっては、横領罪が窃盗罪より重く、または逆に軽く見なされることもあり得ます。重要なのは、それぞれの犯罪の具体的な状況や、被害の性質と範囲、加害者の意図や背景などの視点から罪の重さを評価することです。
万引き・盗難はどちらに含まれるか
万引き:窃盗罪としての分類
万引きは、店舗などから商品を秘密裏に持ち去る行為です。この行為は、他人の財物をその所有者の意志に反して奪うことに該当します。万引きは、店舗が公開している場所にある商品を盗む行為であり、加害者は最初からその商品を占有していません。したがって、この行為は窃盗罪の典型的な例です。
万引きの場合、加害者は商品を秘密裏に持ち去る意図を持って行動し、その行為は被害者の意志に反しています。このような特徴は、日本刑法第235条で定められた窃盗罪の要件に合致します。したがって、万引きは窃盗罪として扱われるのが一般的です。
盗難:窃盗罪に該当
盗難は、他人の財物を不当に奪う行為全般を指します。これには、他人の住居や車、公共の場所などから物を盗む行為が含まれます。盗難の場合、加害者は他人の財物を不法に取得しようとする意図を持っており、その行為は被害者の意志に反します。
盗難は、加害者が最初から財物を占有していない状況で、秘密裏に財物を奪う特徴を持っています。このため、盗難は窃盗罪に分類されることが一般的です。盗難の状況や方法によっては、重い罰則が適用されることもあります
横領罪との区別
横領罪は、加害者が元々財物を合法的に管理または保管する立場にある場合に成立する犯罪です。横領は、信頼関係の下で財物を託された者が、その財物を不正に使用または占有する行為を指します。万引きや盗難は、加害者が元々財物を占有していない状況から行動を起こすため、横領罪には該当しません。
横領や窃盗で逮捕されないケースはあるのか?
横領や窃盗は、基本的には逮捕につながる可能性のある犯罪行為ですが、すべてのケースで逮捕されるわけではありません。逮捕されないケースは、さまざまな要因によって異なります。横領や窃盗で逮捕されない可能性のあるいくつかのシナリオを詳しく解説します。
1. 犯罪の重大性
犯罪の重大性は、逮捕の有無に影響を与える重要な要素です。小規模な窃盗(例えば、低価値の物品の万引きなど)は、逮捕に至らないことがあります。これは、犯罪の程度が軽微である場合、警察が逮捕よりも他の手段(例:警告、出頭要請)を選択することがあるためです。
2. 被害者の意向
被害者の意向も、逮捕の有無に影響を及ぼすことがあります。被害者が告訴を望まない場合、特に犯罪が軽微な場合には、警察が逮捕に至らないことがあります。ただし、これは被害者の意向が完全に決定的であるとは限らず、警察や検察の判断による部分も大きいです。
3. 犯人と被害者との関係
犯人と被害者が親族や密接な関係にある場合、逮捕に至らないことがあります。家庭内の問題として処理されることが多いため、公的な介入が限られることがあります。しかし、犯罪が重大であるか、繰り返し行われている場合は、この限りではありません。
4. 加害者の年齢や状況
加害者が未成年である場合、犯罪の性質によっては逮捕されることなく、少年法に基づく処置が取られることがあります。また、加害者の精神状態や状況(例:精神的な障害や極度の貧困)が犯行に影響を与えている場合、これらの要因が考慮されることがあります。
5. 警察の判断と資源
逮捕に至るかどうかは、警察の判断によります。警察は事件の重大性、証拠の明確さ、公共の安全への影響、その他の要因を総合的に考慮して逮捕を決定します。また、警察の資源(人員や時間など)も、どの事件を優先して処理するかに影響を及ぼす可能性があります。
6. 証拠の不足
証拠が不十分である場合、逮捕に至らないことがあります。警察は逮捕に必要なだけの証拠が得られていない場合、捜査を継続するか、場合によっては事件を解決できないまま閉じることもあります。
7. 和解や示談
特に私人間の窃盗や軽度の横領の場合、被害者と加害者の間で和解や示談が成立すると、逮捕に至らないことがあります。この場合、被害者が加害者に対して法的な手段を取らないことを選択する場合があります。
8. 初犯や前科の有無
初犯であったり、前科がない場合、特に犯罪が軽微であれば、逮捕に至らない可能性が高まります。これは、再犯のリスクが低いと見なされるためです。
まとめ
横領罪と窃盗罪の違いは、犯罪行為における加害者の立場と行動に根ざしています。
横領罪は、法的に他人の財物を占有している者がその財物を不正に使用または占有する行為です。この罪は信頼関係の裏切りを中心とし、加害者が元々財物を管理する立場にあったことが特徴です。
窃盗罪は加害者が他人の財物を秘密裏に盗む行為であり、占有の前提がない点が異なります。社会的制裁の面では、これらの罪は法的には両者ともに重大と見なされ、被害者や社会への影響に基づいて処罰されます。
ただし、横領の場合、信頼関係の悪用が重く見られる傾向にあり、窃盗は財物の不法な取得に重点が置かれます。
この記事の著者:探偵社PIO 調査員 Y.K
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探偵社PIO編集部監修
本記事は探偵社PIOの編集部が企画・編集・監修を行いました。