事実婚のメリット・デメリットは?法律婚との違いや具体的に決めておきたいこと

人生において大きなライフイベントである「結婚」。しかし、お互いの思想や状況に応じて、結婚ではなく「事実婚」を選択するケースもよくあります。皆さんの中でも、事実婚を検討している方がいることでしょう。

そんな事実婚についてですが、皆さんの中で下記のような悩み・疑問を抱いている方はいませんか?

  • 事実婚とはそもそも何なのか分からない
  • 事実婚が持つメリット・デメリットを知りたい
  • 事実婚の主な手続き方法を知りたい

事実婚という名称を耳にすることはあるものの、そもそもの定義やメリット・デメリット、手続き方法までは知らないという方がほとんどです。

そこで今回は、事実婚のメリットデメリット、事前に決めておきたいこと、具体的な手続き方法、パートナーが浮気した場合についてなどを解説していきます。事実婚に憧れるけれど不安もあるという方は、目を通してみてください。

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そもそも事実婚って何?

事実婚とは、婚姻届を役所へ提出していないが、社会的に夫婦と判断される状態のこと。一部にはなりますが、一般的な夫婦と同じ権利や制度を利用できます。

事実婚の証明をするための手段には、主に下記のものが挙げられます。

  • 住民票
  • 賃貸借契約書
  • 健康保険の被扶養者かどうか
  • 事実婚証明書
  • 内縁関係証明書

住民票に、事実婚の夫婦として同居していることを登録することで、事実婚の状態として認められます。

これだけ聞くと、事実婚と同棲の大きな違いが分からない方もいるでしょう。

事実婚と同棲の大きな違いとしては、一緒に生活していることを公的書類で証明できるかどうかがあります。事実婚では世帯を一にした住民票を作成することで一緒に生活をしていることを証明できます。

事実婚が持つ4つのメリット

ここからは、事実婚が持つメリットについて解説していきます。具体的なメリットとしては下記の4つ。

  • 夫婦別姓が可能
  • 国の婚姻制度に縛られない
  • 国民年金などの制度を受けられる
  • 関係が終わっても戸籍に残らない

それでは1つずつ解説していきます。

夫婦別姓が可能

事実婚では、婚姻関係を結ぶ場合とは違い、名字を変更する必要がありません。事実婚は法律婚とは違い、夫婦別姓で生活可能です。現在の法律では役所へ婚姻届けを出すと、夫婦はどちらかの氏を選び、同じ氏を名乗らないといけません。

結婚して名字を変更してしまうと、免許証やパスポートなど、多数の書類も変更する必要が出てきます。しかし事実婚の場合、名字を変更する必要がないぶん、公的書類の手続きを行う手間を省けます。

長い間選択的夫婦別氏制度が議論されていますが、未だ結論が出ないままです。今後法律婚でも夫婦別姓が実現する可能性もありますが、現状では不確定です。自分の名字を残したい、仕事上氏が変わるのは不便といった理由で事実婚を選ぶカップルも少なくありません。

国の婚姻制度に縛られない

事実婚は、国の婚姻制度に疑問を感じる場合にもメリットがあります。法律婚は、どちらかの戸籍に入り、婚姻に当たる事務手続をしないといけません。手続きも複雑で、仕事を休んで対応しないといけないこともあるでしょう。事実婚であれば、面倒な手続きなしに自分達が理想的と思う生活スタイルを貫けるでしょう。

国民年金などの制度を受けられる

事実婚は、同棲とは違って婚姻関係とほぼ同じ扱いをされます。そのため、本来は扶養されている20歳以上60歳未満の主婦(主夫)しか加入できない、国民年金の第三号被保険者になることも可能です。

また、不妊治療費助成金についても、事実婚であろうが関係なく対象となります。

関係が終わっても戸籍に残らない

事実婚は、法的な手続きをすることなく行えます。事実婚であれば、戸籍上は独身です。万が一関係が終わってしまっても、戸籍に事実婚の履歴が残ることを気にする必要がありません。法律婚であれば、別れることになると離婚した旨の記録が残ってしまいます。

もし今の相手と別れ、新しい相手と法律婚する場合も相手にばれにくいです。将来何が起こるか分からないので慎重に行動したいという人にとっては、大きなメリットといえるでしょう。

事実婚が持つ4つのデメリット

次に、事実婚が持つデメリットについて解説していきます。具体的なデメリットとしては下記の4つ。

  • 子供の親権の問題
  • 遺産相続権が発生しない
  • 配偶者控除や相続権控除を受けられない
  • 夫婦関係の証明が難しい

それでは1つずつ解説していきます。

子供の親権の問題

事実婚の場合、子供ができると法律婚より手続きが複雑です。入籍していないカップルの間に生まれた子供は、嫡出でない子として扱われます。母子間は法的に親子として認められますが、父親は認知の手続きをしないといけません。

普通の出生届では受理されないことを知らずに父親だけで窓口に行くと、門前払いされることもあります。子供も欲しいと考えているカップルは、事前に話し合いをしておきましょう。

遺産相続権が発生しない

事実婚の場合、パートナーの法定相続人になれません。遺産相続権は、婚姻関係のある配偶者でなければ権利を得られないと法律で定められています。そのため、事実婚の場合は遺産相続権が発生しません。財産が多いカップルであれば、相続の際にパートナーの家族とトラブルに発展することも少なくありません。

もし事実婚のパートナーに財産を渡す場合は、生前贈与の選択や遺言書の作成が必要となります。また、配偶者が亡くなり法定相続人がいないなら、事実婚相手が特別縁故者として遺産相続できるケースもあります。事前によく話し合い、行政書士、税理士、司法書士、弁護士など専門家のアドバイスを受けながら遺言書を作成しておくといいでしょう。

配偶者控除や相続税控除を受けられない

事実婚では、婚姻関係を結んだ夫婦が受けられる、配偶者控除や相続税控除を受けられません。婚姻関係であれば本来受けられるはずだった、税の控除を一切受けられないのです。

経済的なことを考えると、入籍した方がいい場合もあるでしょう。お金は生活に直結する問題で、慎重に考える必要があります。悩む場合は、税理士やファイナンシャルプランナーなど専門家に相談してみることもおすすめです。

夫婦関係の証明が難しい

事実婚の欠点の一つは、夫婦関係の証明が困難であることです。住民票には「未届の妻(夫)」と記載され、これが証明となりますが、証明が必要なたびに住民票を取得する必要があります。

例えば、パートナーが緊急入院した場合、住民票がないと主治医からの説明や手術同意書の署名、面会などが制限される不都合が生じることがあります。

事実婚をする際に決めておきたいこと

事実婚をすると決めたら、2人で決めておきたいことがあります。具体的には主に下記の4つ。

  • 事実婚を証明する準備
  • 事実婚を周囲に話しておく
  • 子供が出来た時の問題
  • 亡くなった後のことを決めておく

それでは1つずつ解説していきます。

事実婚を証明する準備

まずは、事実婚を第三者に証明できる準備をしておかないといけません。住民票やパートナーの委任状などの事実婚の夫婦である証明がないと、万が一パートナーが事故や病気で入院した際手続きができずに困ってしまうこともあるでしょう。

資料を揃えて、必要な時にすぐに証明できるようにしておきましょう。

事実婚を周囲に話しておく

事実婚を周囲に話しておくと、社会に認めてもらうことに繋がります。周囲に話しておかないと単なる同棲カップルだと認識され、家族扱いされず辛い思いをするかもしれません。結婚式を挙げる、事実婚をしたことを結婚衣装の写真を添えた手紙で知らせるなどアピールしましょう。

子供が出来た時の問題

子供のことは、事前によく話し合っておかないといけません。

  • 子供を作るかどうか
  • 子供ができたら法律婚するかどうか
  • 子供にどちらの姓を名乗らせるか
  • 子供から事実婚について疑問の声が上がったらどのように説明をするか など

その時によって対応を柔軟にすることもいいですが、事実婚を始める前にお互いの気持ちや考えは知っておくべきでしょう。

亡くなった後のことを決めておく

事実婚の場合、相続権がなく、突然パートナーが亡くなった場合、生活が困難になる可能性があります。そのため予備の対策として、お互いに遺言書を準備することが重要です。

「自筆証書遺言」は、印鑑が押されていないか、記述内容の訂正が誤っているなどの理由で効力を失うことがあります。そのため、公証役場で手続きし、「公正証書遺言」を作成する方が安全で確実です。

また、例えば夫が相続人(子供や親など)を持っている場合、遺言書に「遺産の全額を妻に譲る」と書かれていても、相続人が遺留分減殺請求を行い、トラブルが発生する可能性があります。トラブルを避けるためには、遺留分を考慮しながら遺言書を作成することが重要です。

さらに、保険会社や保険の種類によっては、事実婚のパートナーを給付金の受取人として指定できる場合がありますので、契約内容を確認することも重要です。

事実婚のパートナーが万が一浮気したら?

事実婚のパートナーが浮気したらどうなるのか不安に感じる人も少なくありません。実際相手の浮気が原因で事実婚を解消するカップルも多いです。法律婚と同じように慰謝料が請求できるのか、事実婚ならではの注意点があるのか解説していきます。

慰謝料請求は事実婚も認められる

慰謝料請求は、事実婚でも法律婚と同じように認められます。浮気相手に慰謝料請求することも可能です。事実婚だからと躊躇する必要もありません。

慰謝料相場は?

慰謝料の相場はパートナーとの関係の深さ、パートナーの浮気の悪質さ、パートナーの年収などによっても変わりますが、100~300万円が相場です。事実婚は法律婚と同じように扱われますが、離婚するケースと比較すると相場は低めとなるケースが多いでしょう。

また同居の長さ、子供がいるかどうか、将来にわたる約束をしているかなどが重視されるので、それらを上手く証明しないといけません。不安なら弁護士に相談してみることをおすすめします。

証拠を掴みたいなら探偵への依頼がおすすめ

慰謝料の請求には、法律婚、事実婚関係なく浮気の決定的な証拠が必要です。慰謝料請求で認められることが多い証拠は、浮気相手と肉体関係があったことが分かる動画や写真などです。個人で入手が難しいと思ったら、探偵に依頼することをおすすめします。

調査のプロである探偵は、慰謝料請求の際に有利に働く証拠を掴むことが得意です。探偵興信所PIOでは、無料見積もり相談も実施しています。気になることがあれば、まずはお問い合わせください。

事実婚は新しい夫婦のかたち

いかがでしたか。事実婚にはメリットもありますが、デメリットもあります。名字の変更をする必要がない点や、戸籍に事実婚歴が残らない点などを考えれば、新しい夫婦のかたちとも言えるのかも知れません。

しかし、通常の婚姻関係であれば受けられた権利や税金の控除が事実婚だと受けられません。2人でよく話し合い納得できる方法を選択してください。自分達の幸せは、自分達でつかみ取りましょう。

専門家監修

この記事の著者:探偵社PIO 浮気・素行相談員 S.Y

浮気・素行・離婚関連の相談員プロフェッショナル。相談員歴8年。
年間400人以上もの相談を受けている。

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本記事は探偵社PIOの編集部が企画・編集・監修を行いました。

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