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養育費不払いの解消方法とは?実際の事例で解説【現役弁護士が解説#7】

離婚をした後に、もう一方の親から養育費の支払いを受けられない「養育費不払い問題」が深刻な問題として注目され始めています。現在、ひとり親世帯の半数が貧困状態にあるといわれており、その原因の一つとして養育費不払いがあると指摘されています。

政府は養育費不払いの解消に向けて具体的に動き始めています。2020年12月には法務省の有識者会議が、養育費を請求しやすくするための具体的な方策について報告書をまとめています。この報告に基づき、2021年2月には法制審議会への諮問が行われましたので、これから法制化に向けた動きが活発化することが期待されています。

そこで、養育費不払いにより経済的に困っている親子のために、養育費を受け取るための具体的な方法や、養育費不払いとなりやすい事例ごとに解決方法を説明します。

養育費不払いとは

養育費は子どもの生活にとって必要不可欠のお金であるにもかかわらず、不払い状態が継続していることが実際にはよくあります。そこで、養育費とは法律上どのような位置づけの権利であるか、また養育費不払いの実態について説明します。

養育費とは

養育費とは、離婚後に子どもと同居して子どもを監護する親が、監護をしない親から受け取ることのできる、子ども成長と生活のための費用です。

養育費を請求できることは、よく知られていますが、実は「養育費請求権」という権利として法律上定められているわけではありません。このため、現在、政府においては養育費を請求する権利を明確に法律で定めることも含めて検討が行われています。

とはいえ、養育費は民法で定められている親の子に対する扶養義務を根拠として、別居している親に対して当然に請求できる権利であると考えられています。

養育費の相場

養育費の具体的な金額の定め方については、法律で決まっているわけではありませんが、裁判所が一般的にどの程度の金額の養育費を支払うことが合理的かを研究した結果を、養育費の算定表として公表しています。

養育費について調停や裁判で請求する場合には、例外的な事情がない限り、算定表にしたがって養育費が決められることが多いといえます。したがって、算定表が一応の相場といえます。

もっとも、養育費の算定表はあくまでも一つの目安に過ぎません。家庭ごとの事情を反映させて養育費算定表と異なる養育費を取り決めることもあります。

例えば、子どもが離婚前から私立の学校に通っていて、離婚後も通学を続けたいという場合には、両親が話し合って算定表の金額に加算した養育費の支払いを受けられるようにすることもあり得ます。

ただ、一般的な傾向ではありますが、裁判所の調停では、養育費を支払う側が算定表の金額を超える養育費の支払いに同意しない場合に、算定表以上の金額の養育費が認められることはそれほど多くありません。

なお、相手が算定表に従った養育費の支払いすら拒んでいる場合には、裁判所の審判という手続によって、相手の同意にかかわらずおおむね算定表通りの養育費が認められることが多いでしょう。

したがって、裁判所に調停の申立をすれば、少なくとも養育費算定表による養育費は最低限受け取ることができます。

養育費不払いの実態

厚生労働省が公表している平成28年の統計によれば、離婚時に元配偶者と養育費の取り決めをしているのは、母子家庭で42.9%、父子家庭で20.8%です。養育費の受給状況について、現在も受け取っているのは、母子家庭で24.3%と半数以下です。父子家庭では更に低く、現在養育費を受け取っているのは3.2%にとどまります。

ただし、養育費の金額は基本的には子どもの数と両親の収入によって決まります。父子家庭の場合には、別居している母親よりも同居している父親のほうが高収入であることが多く、養育費をもらう必要がないというケースを相当数含んでいるものと思われます。

実際に、父子家庭において養育費の取り決めをしなかった理由として最も多いのが「相手に支払う能力がないと思った」となっています。

これに対して、経済的な困窮度が高くなりやすい母子家庭においては、養育費の不払いはより深刻な問題です。厚生労働省のデータによれば、母子家庭の母親が養育費の取り決めをしなかった理由として最も多いのが「相手と関わりたくない」でした。このため、母子家庭の養育費不払いの問題を解消するためには、母親本人が直接父親とやりとりしなくても養育費を受け取れる方法があることを母親自身が知る必要があります。

相手と感情的な対立があってかかわり合いになりたくない場合には、弁護士を立てて交渉することが一般的です。弁護士が代理人となると、相手は直接本人に連絡をしてくることができなくなりますので、精神的な負担なく養育費を受け取るための手続を進めることができます。

経済的に弁護士に依頼することが難しい場合でも、一定の要件を満たせば「法テラス」において民事法律扶助の制度を利用できます。民事法律扶助を利用すると弁護士費用を国が一時的に立て替えたり、給付を受けたりすることができます。

養育費不払いで困ったら

別居している親からの養育費不払いによって、子どもとの生活が立ち行かなくなることは避けなければなりません。そこで、養育費不払いを解消するためには、どのような方法があるのか説明します。

養育費の取り決めが存在しない場合

養育費不払いとなっている場合、意外と多いのが離婚時点でそもそも養育費の支払いについて相手との間で取り決めをしなかったケースです。親同士が協議によって離婚届を作成・提出する「協議離婚」と呼ばれる離婚をした場合に、養育費の取り決めがされていないことがあります。

反対に、離婚をする際に弁護士などに依頼した場合や、裁判所の調停を利用して離婚をしたような場合であれば、弁護士や裁判所の調停委員が必ず養育費についての取り決めを行いますので、養育費について何も決めずに離婚するということは起こりにくいといえます。

親同士が話し合って離婚をする「協議離婚」は、実際には双方に感情的対立があって養育費支払いの話が進まないとか、DV等の理由で、片方の親が子どもを連れて逃げるように離婚をしていることも少なくありません。このため、養育費の取り決めに至らずに離婚をしてしまうことが起こりうるのです。

養育費支払いの取り決めをせず離婚したとしても、後から養育費を請求することはできます。養育費請求権は離婚によって消滅するものではないためです。養育費を離婚後に請求したいけれど取り決めをしていなかったという場合には、まず養育費を請求するための調停を家庭裁判所に申し立てます。この調停を、「子の監護に関する処分(養育費)調停」といいます。

上でも説明したとおり、裁判所に調停を起こせば、相手が養育費の支払い自体を一切拒絶した場合であっても、養育費の算定表で定められる金額は最低限受け取ることができるようになります。

養育費の取り決めが履行されない場合

子どもの養育費の支払いについて相手と取り決めをしたにも関わらず、相手が支払いをしないというケースでは、取り決め方法によって対応方法が異なります。

判決、審判、調停調書、公正証書で養育費を取り決めた場合

裁判所の判決や審判、調停において養育費の取り決めがされた場合や、養育費の支払いについての合意内容を公正証書にした場合には、すぐに強制執行を行うことができます。

相手の勤務先を把握している場合には、給与の差し押さえにより不払いとなっている養育費を回収することは比較的よく行われます。給与以外にも相手名義の預貯金その他の資産に対して強制執行をすることもできます。

なお、公正証書とは、当事者間の合意内容を公証役場において合意書としてまとめたものをいいます。親同士で離婚協議をした場合であっても、行政書士や弁護士などに公正証書の作成依頼をしているケースがあります。

上記以外で養育費を取り決めた場合

養育費の取り決めを上記以外の方法で行った場合には、すぐに強制執行をすることができません。例えば、相手との間で養育費の支払いについてお互いに署名・押印のある合意書を作成したものの公正証書にはしていないケースです。

この場合には、養育費に関するお互いの合意内容に基づいて養育費の支払いを求める訴訟等を起こし、支払いを命ずる判決等を先に得なければなりません。その上で判決等に基づいて、改めて相手の給与等に対して強制執行をするという流れになります。

なお、裁判を起こすと時間がかかりますし、弁護士に依頼するための費用も必要となることがあります。そこで、養育費の取り決めがない場合と同様に、「子の監護に関する処分(養育費)調停」をまず起こす方がよいケースもあります。相手が話し合いに応じるようであれば、調停のほうが短期間で解決できる可能性が高いためです。

養育費不払いになりやすいケース

最後に、養育費不払いが発生しやすい具体的な事例を取り上げます。あわせて、それぞれの事例ごとに対処方法を解説します。

ケース1 相手が行方不明

離婚から時間が経っている場合には、そもそも相手の住所や連絡先がわからない状態になっていることが少なくありません。このような状態である場合、養育費を請求できないと諦めてしまうかもしれません。

しかし、相手が行方不明であっても亡くなっていない限りは、養育費を請求することができます。問題は、相手の住所をどのように調べるかということです。

弁護士に依頼する場合には、弁護士に認められている「職務上請求」という方法で住民票等をたどることによって相手の住所が判明することがあります。また、相手が住民登録の変更手続きをしていない場合には、興信所などに調査を依頼することもあります。

ケース2 相手が経済的に困窮している

相手が働いていないとか経済的に困窮しているような場合にも、養育費不払いは発生しがちです。「無い袖は振れない」ということで、相手から「お金が無いから養育費を支払えない」と言われると請求できないのではないかと考えてしまうかもしれません。

しかし、重度の病気を患っているなど客観的にみて働くことができないような状況でもない限り、現時点で仕事についていないからといって養育費の支払い義務が免除されるわけではありません。別居している親も子どもを扶養する義務を負っている以上、仕事を探すなどして養育費の支払いを確保するべきといえるためです。

また、相手が自己破産したとしても、過去に不払いとなっている分を含めて養育費の支払い義務はなくなりません。養育費の支払い義務は、破産をしても例外的に免責されないことが法律上定められています。このような権利を「非免責債権」といいます。

したがって、相手が経済的に困窮しているとしても、養育費の受け取りを諦める必要はありません。

ケース3 相手が再婚した

子どもと別居している親が再婚した場合、再婚相手やその子どもへの扶養義務が発生するため、養育費の支払いをする余裕がなくなり養育費不払いが発生しやすくなります。

相手が再婚しただけであれば、養育費を支払わない理由にはなりません。ただ、相手と再婚相手との間に子どもが生まれたという場合には、事情の変更を理由として養育費の減額を請求されることがあります。

この場合、相手の収入からみて養育費の支払いを続けることが客観的に困難であれば養育費の減額が裁判所で認められる可能性がゼロではありません。

ただし、子どもの数が非常に多いというわけでもなければ、養育費を減額する必要がないことが大多数です。このため、相手から再婚を理由として養育費を支払えないと言われた場合であっても、本当に減額が妥当であるかはよく検討するべきです。

まとめ

養育費はあくまでも子どもの生活や成長のための費用ですので養育費不払いが発生しているのであれば、相手に対して是が非でも支払ってもらわなければなりません。養育費の支払いは、子どもの親として当然の義務であり離婚したからといって消滅する性質のものではありません。

ただ、相手と直接やりとりしたくないとか、相手が行方不明だったり経済的に支払えないと言われたりして、養育費が不払いのままになっているケースは決して珍しくありません。

このような場合であっても、諦めずに相手の住所や現在の生活状況や経済状況などを調査してみることをおすすめします。相手の生活状況を調べてみたら、経済的に困窮しているという話が実は嘘だったということもありえます。また、相手の連絡先がわからなくなっていても調べる方法は存在します。

相手の住所や現在の生活状況・経済状況などについては、興信所に調査を依頼することもよくあります。養育費不払いになっている理由に応じて、どのような手続を踏めば相手から養育費を受け取れるのかを検討するとよいでしょう。

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執筆者プロフィール

弁護士 松浦 絢子
松浦綜合法律事務所代表。
京都大学法学部、一橋大学法学研究科法務専攻卒業。東京弁護士会所属(登録番号49705)。宅地建物取引士。法律事務所や大手不動産会社、大手不動産投資顧問会社を経て独立。IT、不動産、男女問題など幅広い相談に対応している。

運営サイト:松浦綜合法律事務所公式サイト
http://matsuura-law.jp/

不貞慰謝料の特設サイト
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