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SNSで誹謗中傷の被害にあったときの対処法【現役弁護士が解説#5】

TwitterやInstagramなどのSNSでは、特定の人に対する誹謗中傷が行われているのを目にすることがあります。芸能人や有名人に対して匿名で執拗に誹謗中傷をする悪質なケースも目立っています。

実際にSNS上の誹謗中傷が原因で被害者がうつ病になったり自殺に追い込まれたりする事例が報道されることも耳にするようになりました。そこまでではなくても、誹謗中傷がインターネット上に残ることによって、就職活動や結婚など誹謗中傷を受けた人の将来の社会生活に支障をきたすおそれもあります。

そこで、SNS上で誹謗中傷を受けた場合にどのような対策をとる必要があるのか解説します。

SNSでの誹謗中傷とは

SNSとは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(Social Networking Service)の略称であり、会員登録をした利用者どうしがインターネット上で交流する仕組みを指します。SNS上での誹謗中傷にはどのような特徴があるのでしょうか。よくある事例とともに解説します。

SNSは誹謗中傷の温床となりやすい

SNSには、TwitterやFacebook、Instagramなどさまざまな種類があります。このうち、TwitterやInstagramは匿名のアカウントを作成できることから、一般的に誹謗中傷の温床となりがちです。

また、SNSは短文で気軽に投稿できることから、他の利用者が特定の人に対して誹謗中傷をしているのを見た人がさらに便乗して、誹謗中傷が「炎上」しやすい傾向もあります。

SNSでよくある誹謗中傷の例

SNSでよくある誹謗中傷としては、大きく分けて、相手の名誉を毀損するもの、相手を侮辱するもの、相手の個人情報やプライバシーをさらすものの3パターンがあります。

相手の名誉を毀損するもの

SNSにおける誹謗中傷によって、いわゆる名誉毀損が成立するのは、具体的な事実関係を指摘して相手の社会的評価を低下させた場合です。例えば、「Aさんは不倫をしている」とか「Bさんは社内の金を横領した過去がある」などというものです。重要なのは、具体的な事実を指摘したという点です。

具体的な事実関係を指摘したといえるかは、証拠さえあれば真偽を判定できるような内容であるかによって判断します。不倫をしていることや横領をしたことは、いずれも証拠さえあれば真実か否かを判断できる事柄です。

これに対し、例えば「Cさんはブサイクだ」とSNSで書き込まれた場合、不細工かどうかは主観に過ぎず証拠によって一義的に判断できるようなものではありません。このため、通常は名誉毀損とはなりません。

相手を侮辱するもの

刑法は、名誉毀損とは別に、人を侮辱することを刑事罰の対象としています。したがって、「Cさんはブサイクだ」といったSNSでの誹謗中傷は、名誉毀損にはならないとしても侮辱にあたる可能性はあります。このため、名誉毀損にあたらなければ違法ではないというわけではありません。

ただし、名誉毀損にはならない侮辱による誹謗中傷は、名誉毀損となる誹謗中傷と比較して加害者が支払うべき慰謝料の金額がかなり少なくなる傾向にあります。

相手の個人情報やプライバシーをさらすもの

SNS等での誹謗中傷では、相手の個人情報の公開を伴うことがあります。例えば、公開される個人情報としては、本名や出身地、住んでいる地域や子どもの学校名などがあります。

このほか、普通の人であれば秘匿しておきたいような情報が本人に無断で公にされることもありえます。例えば、病歴や生い立ちに関するものが典型的です。

個人情報は、SNSなど不特定多数の人が見る場所での公にされることは当然予定されていません。また、SNSは拡散力が高いため、多くの人に個人的な情報を知られることで被害者は普通の社会生活を送ることが難しくなる可能性があります。

このほか、個人情報だけでなく、身内との食事中の様子や部屋でくつろいでいる様子などといったプライベートな写真をSNS等で拡散されるケースもあります。この場合には、プライバシーの侵害とともに、肖像権の侵害も問題となることがあります。

SNSで誹謗中傷を受けた場合の対処法

SNSで誹謗中傷を受けた場合、被害を最小限にしたければどれだけ迅速に対応できるかが鍵になります。

SNSでは短期間の間に大量に誹謗中傷コメントが拡散されます。SNS上の誹謗中傷が収束しても、匿名掲示板やブログなど他のwebサイト上にSNSに投稿された内容が転載されることとなれば将来にわたり被害が継続するリスクがあります。

また、SNS上の誹謗中傷の加害者を特定するためにはプロバイダから投稿者の情報を開示してもらう必要があります。しかし、加害者の特定に必要となる接続ログは通常3ヶ月から1年程度の短い期間で抹消されてしまいます。接続ログが抹消されると、加害者を特定することは非常に困難になるため、被害回復が十分に図られないリスクがあります。

誹謗中傷コメントの削除

SNSにおいて誹謗中傷を受けた場合には、まず問題の投稿を抹消してもらう必要があります。加害者が特定できていない場合には、誹謗中傷が投稿されたSNSの運営会社に対して名誉毀損等にあたることを説明して投稿の抹消を求めます。

SNSの代表であるTwitterでは、「Twitterルール」として攻撃的な行為・嫌がらせ、ヘイト行為、自殺や自傷行為の助長や扇動、個人情報の無断開示などを明確に禁止しています。

したがって、Twitter社に対して誹謗中傷ツイートの抹消を求める場合には、Twitterルールに記載された禁止行為のどれに該当するかを明示し、問合せフォームや報告機能などを用いて削除を求めることになります。

また、誹謗中傷のコメントは投稿者によって削除される可能性があるため、発見した場合には投稿のURLを記録するだけでなく、投稿自体のスクリーンショットも保存しておく必要があります。

その際、投稿内容、投稿者のアカウント名、投稿日時、投稿のURLのすべてが同じ画面内に保存されるような形式で画像を保存しておくことがポイントです。

誹謗中傷の加害者の特定

誹謗中傷の削除と一緒に進められることが多いのは、誹謗中傷をした加害者を特定する手続です。TwitterやInstagramなどのSNSは匿名で投稿ができるため、加害者の氏名や住所を特定するためには法的な手続きを踏む必要があります。

SNSは会員制の交流サイトであることから、コンテンツ・プロバイダ(SNSの運営事業者)にアカウントの登録者情報の開示請求をすればよいと思われるかもしれません。

しかし、SNSの運営事業者にとって登録者の情報は個人情報保護法によって保護される個人情報です。このため、登録者に無断で被害者に開示することは難しいのが一般的です。このため、法律に定められた手続を踏む必要があるのです。

SNSでの誹謗中傷などインターネット上のトラブルにおいて、投稿者の個人情報の開示を受けるための法的根拠はプロバイダ責任制限法という法律です。誹謗中傷の被害を受けた人が加害者の個人情報を入手するためには、プロバイダ責任制限法に基づいて請求をする必要があります。この請求を、「発信者情報開示請求」と呼びます。

プロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示請求を行う場合、次の2段階の手続が必要です。

SNS運営事業者に対するIPアドレスの開示請求

IPアドレスとは、インターネット上の通信に用いられる機器に割り振られる番号であり、通信相手を識別するものです。このため、インターネット上の住所と呼ばれることもあります。

SNS上の誹謗中傷のコメントについては、その投稿と投稿者を紐付けるIPアドレスが存在します。このIPアドレスはコンテンツ・プロバイダとも呼ばれるSNSの運営事業者(Twitter社など)が保有しています。

そこで、まずSNSで誹謗中傷の被害を受けた場合には、問題の投稿に関するIPアドレスの開示をSNS運営事業者に求める必要があります。

コンテンツ・プロバイダによっては裁判所を通さない請求でIPアドレスを開示することもあります。もっとも、多くのケースでは裁判所への仮処分申立てによってIPアドレスの開示がされることになります。

仮処分申立てをしてから実際にIPアドレスの開示を受けられるまでは、一般的に1〜2ヶ月程度です。ただし、これはあくまでもコンテンツ・プロバイダが日本の事業者である場合の目安です。

SNSにおいては多くのケースでコンテンツ・プロバイダは海外の事業者です。海外のコンテンツ・プロバイダからIPアドレスの開示を受けるためには、3〜4ヶ月程度の期間を要することが通常です。

また、海外への送達が必要になる関係上、日本国内のプロバイダに対する請求よりも手続上の負担は重くなります。

インターネット・サービス・プロバイダに対する契約者情報の開示請求

次に、SNSを運営する事業者から開示されたIPアドレスを、WHOISというインターネットで誰でもアクセスできるシステムで検索します。そうすると、その投稿をする際に投稿者が利用したインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)を割り出すことができます。

ISPとは、インターネット接続サービスを提供している事業者です。有名なところでは、OCNなどがあります。この他、携帯電話会社もISPにあたります。

ISPが有料サービスである場合には、ISPは誹謗中傷の投稿者と利用契約を締結しているはずです。したがって、ISPは誹謗中傷の投稿者の個人情報を保有しています。

そこで、ISPに対してSNS上で誹謗中傷の投稿をした加害者の氏名や住所などの情報を開示するように請求することになります。

なお、ISPに対する加害者の個人情報の開示請求は、現時点では、裁判所に通常の訴訟を提起する必要があります。このため、ISPから加害者の個人情報の開示を受けられるまでには、6ヶ月〜1年程度の期間を要することになります。

なぜ裁判手続きが必要となるのかというと、ISPにとって契約者の情報は、個人情報保護法の観点から原則として本人の同意を得ずに開示できない情報であるためです。このため、ISPは、開示を認める判決がないかぎり開示に応じないというのが現状です。

加害者に対する慰謝料請求

加害者の個人情報が特定できたら、次に加害者本人に連絡して慰謝料の支払いや今後同様の誹謗酋長を行わないことの誓約などを求めることになります。悪質な事例では刑事告訴を検討することもあります。

なお、初めから刑事告訴を視野に入れている場合には、上で説明したISP等に対する発信者情報開示請求の手続を省略できる可能性があります。警察の捜査によって、加害者の情報が判明することがあるためです。

インターネット上の誹謗中傷に対する国の取り組み

上で説明したように、SNS等のインターネット上の誹謗中傷に関しては加害者を特定して慰謝料請求等の権利を行使するまで非常に多くの手間がかかります。

一方で、インターネット上の誹謗中傷に関しては、裁判所が名誉毀損にあたることを認めたとしても慰謝料額は100万円前後の低い金額に抑えられることが一般的です。

このため、弁護士費用を支払うと赤字になることもあり、被害者が泣き寝入りする結果となりやすいことが問題視されています。このような現状を踏まえ、総務省は、発信者情報開示請求の手続を簡素化するため2020年4月から「発信者情報の在り方に関する研究会」を開催し、制度の変更を検討しています。

2020年12月には「最終とりまとめ」が公表されています。この中では、発信者情報開示請求のための特別の裁判上の手続を創設し、一回の手続で迅速に投稿者を特定できるようにする方向性が打ち出されています。

したがって、今後は、SNSで誹謗中傷をした加害者の特定について、裁判所を通した2段階の手続を踏むことなく、SNS運営事業者(コンテンツ・プロバイダ)とISP(インターネット・サービス・プロバイダ)のそれぞれから、迅速に個人情報の開示を受けられる可能性があります。

もっとも、「発信者情報の在り方に関する研究会」による最終とりまとめに従って、実際の法整備がなされるまでにはまだ時間を要することになります。このため、当面は上で説明したような2段階の発信者情報開示請求が必要となる状況は続くでしょう。

まとめ

SNS等において悪質な誹謗中傷を受けた場合には、早期に法的措置をとった方がよいことが多いといえます。

SNSの誹謗中傷は不特定多数の人が見ることができるため、他の利用者が誹謗中傷に便乗して「炎上」しやすい傾向にあります。このとき、被害者が「法的措置を講ずる」旨を公表するなど毅然とした対応をとることで、炎上を防止できる可能性が高まります。

興信所においては、加害者に結びつくいくつかの手がかりを元にしてSNSでの誹謗中傷の加害者を突き止める調査ができることがあります。

確実に相手を特定したい場合や、裁判によらず早く相手の情報を入手したい場合、加害者につながる手がかりはあるものの法的な手続では加害者の個人情報の開示が難しいような場合には、興信所などに調査を依頼することが一つの選択肢になるかもしれません。

執筆者プロフィール

弁護士 松浦 絢子
松浦綜合法律事務所代表。
京都大学法学部、一橋大学法学研究科法務専攻卒業。東京弁護士会所属(登録番号49705)。宅地建物取引士。法律事務所や大手不動産会社、大手不動産投資顧問会社を経て独立。IT、不動産、男女問題など幅広い相談に対応している。

運営サイト:松浦綜合法律事務所公式サイト
http://matsuura-law.jp/

不貞慰謝料の特設サイト
https://tokyo-futeiisharyou.com/ 

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