慰謝料請求の際「やってはいけないこと」【元弁護士が解説#1】

夫が不倫したら、不倫相手に対する怒りがわき上がるものです。「絶対に許せない、仕返しをしてやろう」と考えるのも当然ですよね。

しかし法律上、不倫相手への慰謝料請求で「やってはいけないこと」がいくつかあります。

違法な行動をしてしまったら被害者である方のあなたの方が不利になってしまう可能性もあるので、注意しましょう。

今回は慰謝料請求の際にやってはいけないことを解説します。浮気相手に対する慰謝料請求を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

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不倫相手にやってはいけないこと一覧

不倫相手に対し、やってしまいがちですがやってはいけないことをまとめました。

  • 脅迫
  • 暴行
  • 無理矢理自認書や誓約書を書かせる
  • 職場へ嫌がらせ
  • 無言電話などの嫌がらせ
  • 退職強要
  • 親へ慰謝料請求
  • ネット名誉毀損

以下で順番にみていきましょう。

脅迫

不倫相手に対し「旦那と別れないと殺すわよ」「家に火をつけるぞ」「職場に不倫をバラすよ」などと告げて脅してはなりません。口頭で告げるのもメールやLINEを送るのも書面を送るのもNGです。刑法上の「脅迫罪」が成立する可能性があります。

暴行

不倫相手に腹が立つからといって、暴力を振るってはなりません。たとえば殴る、蹴る、胸ぐらをつかむ、髪の毛を引っ張る、大声で怒鳴り付けるなどの行為です。暴行を振るうと暴行罪が成立します。相手がケガをしたらより重い「傷害罪」が成立して、逮捕される可能性も高まるでしょう。

不倫相手の物を壊す、盗む

不倫相手を許せないからと言って、嫌がらせで物を壊したり盗んだりしてはなりません。相手のペットを傷つけるのも犯罪です。物を壊したら器物損壊罪、ペットを傷つけると動物傷害罪、物を盗んだら窃盗罪という犯罪が成立します。

無理矢理「自認書」や「誓約書」を書かせる

夫に不倫されると、慰謝料請求や離婚を有利に進めるため「不倫の証拠」が必要です。不倫相手が「不倫しました」と認める自認書を作成したら、不倫の動かぬ証拠となるでしょう。

そこで不倫相手に自認書を書かせようとする方もたくさんいます。「不倫したので慰謝料を払います」という誓約書についても同様です。

それ自体は問題ないのですが、脅しや暴力で自認書や誓約書を「無理矢理」書かせてはなりません。「強要罪」という犯罪が成立する可能性があります。

また無理矢理書かせた自認書や誓約書に法的効果は認められません。そのような書類を裁判所に提出しても不倫の証拠にできないので注意しましょう。

職場へ嫌がらせ

不倫相手の職場へ嫌がらせをするケースもよくあります。

  • 職場へ電話して「おたくの〇〇さんが不倫しています」と告げ口する
  • 職場へ電話して「おたくの〇〇さんは不倫しているので、解雇してください」と告げる
  • 職場へ無言電話する
  • 職場へ押し掛けて騒ぐ

職場への嫌がらせも犯罪や違法行為となる可能性の高い行為です。たとえば職場の上司や同僚へ不倫の事実を広めたら「名誉毀損罪」が成立するでしょう。

また不倫は解雇理由にならないので、職場へ解雇を求めても意味がありません。単なる名誉毀損にしかなりません。無言電話などの嫌がらせ行為も、もちろん違法です。しつこくすると、会社から業務妨害罪で訴えられるリスクも発生します。

不倫相手の職場へ嫌がらせをするのもやめましょう。

無言電話などの嫌がらせ

不倫相手へ直接無言電話などの嫌がらせをするのもNGです。嫌がらせがバレたら慰謝料請求される可能性があります。相手がノイローゼになったら治療費やより高額な慰謝料を請求されるでしょう。

退職強要

夫と不倫相手が同じ職場ではたらいている場合、「別れさせるため、不倫相手に仕事を辞めさせねば」と思い詰めてしまう方もおられます。しかし不倫相手に退職を強要してはなりません。

不倫したからといって、退職しなければならないルールは存在しないからです。義務のないことを強要すると「強要罪」が成立します。

また、そもそも不倫は解雇理由にならないので会社に告げても解雇してもらえません。

不倫相手と夫の関係を断ちたいなら、慰謝料を支払ってもらう合意をするときに「仕事以外では一切関わりを持たない」と約束させるなどの対応をしましょう。

親へ慰謝料請求

不倫相手に慰謝料請求しても「お金がない」と言われて慰謝料を払ってもらえないケースも少なくありません。そんなとき、相手の親に連絡して慰謝料請求する方がおられます。

しかし親には慰謝料の支払義務がありません。強制的に支払わせると恐喝罪になる可能性があります。また不倫相手が親に不倫を知らせていなかった場合、勝手に通知するとプライバシー権侵害となってしまうでしょう。

慰謝料は、あくまで不倫した本人が支払うべきお金です。相手が払わなくて腹が立ったとしても親に請求すべきではありません。

ネット名誉毀損

不倫相手に腹を立てると、ネット上で相手の名誉を毀損する投稿をしてしまう方が非常にたくさんおられます。

  • Twitterで匿名の専用アカウントを作って相手の不倫の事実を拡散
  • ブログで相手の不倫の事実を事細かに投稿
  • LINEやFacebookで相手の悪口を書き込む
  • 2ちゃんねるなどのネット掲示板に相手の不倫の事実を書き込んだり相手の個人情報を投稿したりする
  • 相手の名前やメールアドレス、電話番号を使って勝手に出会い系サイトに登録する

上記のようなネットを使った嫌がらせはすべて違法です。たとえ不倫が真実であるとしても、SNSやブログなどで拡散すると「名誉毀損罪」になります。不倫したことを言わなくても、侮辱する言葉を書いただけで侮辱罪が成立する可能性があります。個人情報を勝手にさらす行為はプライバシー権侵害となります。

違法行為をするリスク

不倫相手に対し違法行為をすると、実際にどういったリスクが発生するのでしょうか?

逮捕される、前科がつく

まずはあなた自身が逮捕されてしまうリスクです。

暴行罪、傷害罪、脅迫罪、名誉毀損罪などの「犯罪」行為をしたら、被害者である不倫相手が被害届を出したり刑事告訴したりするでしょう。すると警察が捜査を進め、悪質と判断されると逮捕されます。検察官によって「起訴」されると罰金刑や懲役刑が適用されて、一生消えない前科がついてしまう可能性もあるのです。

不倫された被害者なのに、自分の方に前科がついてしまうなんて、絶対に納得できないですよね。違法行為はしないのが一番です。

慰謝料請求される

不倫相手に違法行為をすると、相手から慰謝料請求される可能性があります。相手はあなたの違法行為によって精神的苦痛を被ったといえるからです。ケガをさせたり物を壊したりしたら、治療費や休業損害、物の弁償費用も要求されるでしょう。

こちらが慰謝料請求するはずだったのに、反対にお金を請求されては本末転倒です。

不倫慰謝料を払ってもらえない、減額される

不倫相手に嫌がらせをしてしまったら、相手は気分を害して「慰謝料を払わない」と言い出す可能性が高まります。余計なことをしなければすんなり慰謝料が払われるはずの事案でも、つまらないことをしたために慰謝料を受け取れなくなるリスクがあります。

払われるとしても、こちらが違法行為をして迷惑をかけた分、減額されるでしょう。

夫と相手が結託する

浮気されても夫と別れたくない方がたくさんおられます。しかし浮気相手に嫌がらせを行うと、夫と浮気相手の中が深まってしまうおそれがあるので注意してください。

夫にしてみたら、嫌がらせを受けている不倫相手を不憫に感じます。同情心が強くなる上、浮気相手の方も夫に甘えたりして2人の絆が深まってしまうのです。夫にしてみれば、浮気相手に嫌がらせをするような妻に対しては、より心が離れてしまうのも当然ともいえるでしょう。

夫とよりを戻したいなら、嫌がらせではない方法で対応すべきです。

離婚で不利になる

不倫相手に嫌がらせや犯罪行為を行うと、後に夫と離婚するときにも悪影響が及ぶ危険性があります。

夫が「妻が~のような嫌がらせをしてきた」「妻は~のような犯罪行為を行った」などと主張し、あたかも「妻が非常識な人間だったため、やむをえず不倫に逃げざるを得なかった」というストーリーを作られるからです。

裁判所がそのストーリーを信じた場合、妻にも不倫の原因があったと認定されて慰謝料を減額される可能性があります。

夫と協議離婚する際にも、こちらが違法行為を行ったことを追及されて、強気の交渉が難しくなるでしょう。

離婚条件が悪くなってしまうリスクを忘れてはなりません。

以上のように、不倫相手に嫌がらせや違法行為をするとほとんどリスクしかないので、くれぐれもやってしまわないように注意してください。

自分で相手のあとをつけるのもお勧めしない

絶対にやってはいけないというわけではありませんが、「自分で浮気相手や夫の後をつける(尾行する)」のもお勧めではありません。

夫の不倫の証拠をつかむには、不倫現場を押さえるのがもっとも手っ取り早い方法です。探偵事務所へ依頼すると費用がかかるので、自分で尾行調査する方がおられます。

しかし素人が尾行すると、どうしてもバレやすくなります。相手に見つかったらトラブルになる可能性がありますし、簡単に巻かれてしまうでしょう。その後は相手方らも警戒して、尻尾を出さなくなってしまうものです。

自分で尾行調査をして失敗すると、二度と不倫の証拠を手に入れられなくなるリスクがあります。このことが原因で、本当は慰謝料を払ってもらえるはずなのに裁判で負けて払ってもらえなくなるケースが少なくありません。

不倫の証拠を入手するなら、始めからプロの探偵事務所へ依頼するよう強くお勧めします。

正しい慰謝料請求の手順

以下では正しい慰謝料請求の手順を示しますので、参考にしてみてください。

内容証明郵便を使って慰謝料請求する

まずは内容証明郵便で慰謝料請求書を作り、相手に送付しましょう。

話し合う

相手と慰謝料についての話し合いをします。金額や支払方法(一括か分割か、支払期限など)を決定しましょう。

慰謝料についての合意書を作成する

合意ができたら、必ず合意書を作成しましょう。分割払いになるなら「公正証書」にしておくようお勧めします。公正証書があれば、相手が滞納したときにすぐに給料や預貯金を差し押さえられるからです。

裁判する

合意できなければ裁判をして裁判所から慰謝料の支払い命令を出してもらいましょう。

別れさせるなら接触禁止条項と違約金条項をつける

相手と夫を別れさせたいなら「今後一切関わらない」という接触禁止条項を入れて、「約束に違反したときには100万円支払う」などの違約金条項を設定しておくと効果的です。

まとめ

不倫されたとしても、相手に違法行為や嫌がらせをしてはなりません。証拠を集めて正しい手順で慰謝料請求を進めましょう。証拠集めで困ったときには探偵事務所を、慰謝料請求の過程で迷ったときには弁護士に相談してみてください。

執筆者プロフィール

福谷陽子
法律ライター 元弁護士
弁護士としての経験は約10年。その経験をもとに、ライターへ転身後は法律や不動産関係の記事を積極的に執筆している。
弁護士時代は中小企業の顧問業、離婚や不倫など男女関係案件の取扱いが多く、浮気調査や探偵事務所の実情にも詳しい。
記事の作成だけではなく、編集やサイト設計、ディレクションやウェブコンテンツを利用したマーケティングのアドバイスなど、活動の幅を広げている。

運営サイト(元弁護士・法律ライター福谷陽子のblog)
https://legalharuka.com/433

運営youtubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UC-vYz7An9GHWXsXjWKbmRdw

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探偵社PIO編集部監修

本記事は探偵社PIOの編集部が企画・編集・監修を行いました。

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