下宿先の我が子、様子がおかしい？探偵の素行調査とは

公開日:2024/02/20 最終更新日:2024/02/08

子供（娘、あるいは息子）が進学とともに下宿先で暮らすことになると、離れて暮らす親御さんはいつでもトラブルに遭遇しないか心配なものです。最初は連絡を頻繁に取っていても、そのうち返信がまばらになったり、学校側から単位未修得の連絡がきたりしたら「我が子はどうやって暮らしているのだろう？」と不安になりますよね。しかし、下宿先が遠方地であった場合なかなか様子を伺うのは難しいです。今回は、遠く離れた土地でも素行調査は可能なのかどうかを解説します。

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そもそも素行調査とは？

まずは素行調査とは何かを説明しましょう。

探偵や興信所に依頼できる素行調査。対象者の普段の様子を調査し、現在何をしているのか、人間性や人間関係、周囲からの評判を調べるものです。素行調査が行われる対象はさまざまあり、例えば

・浮気を疑っているパートナーに対して
・生き別れて連絡が取れない家族に対して
・業務態度に疑問のある従業員に対して
・素性のわからない婚約相手に対して

等が挙げられます。大きな事件や取り返しの付かないことに発展する前に、その人となりを調べて防ぐのです。

この記事でご紹介するのは、遠方に住む自分の子供に対しての素行調査です。ここで疑問となるのが「自分の子供だから、自ら調査すればよいのでは？」というもの。下宿先の住所も把握しており、連絡先も知っている親からすれば簡単そうに思えますよね。しかし、子供の素行調査を依頼する親御さんの中には、「突然音信不通になり、大学にも下宿先にも戻っていなかった」といった方もいます。

こうした場合、まずは警察に「行方不明者届」を出すべきですが、何らかの事情があり姿を消しているのかもしれない、海外旅行に行っておりすぐに帰ってくるのかもしれない、といった懸念点から「どうしてよいのか分からない」と悩むことがほとんどです。さらに、大学側に行方不明であることが知られるのが嫌という方や、就活中であれば就職予定の企業への心象が悪くなることを考える方も多いでしょう。

探偵や興信所の素行調査は、完全秘密で行われます。プロの調査機関であれば周囲に知られることなく調査してくれるでしょう。調査機関にお願いできる「素行調査」をまとめると、

・何をしたらよいのか分からないとき相談できる
・すぐに調査してくれる（警察に届ける場合だと、すぐに捜査が始まらないこともあります）
・周りに知られずに調べられる

といったメリットがあります。「遠方での素行調査」が可能かどうかは記事後半で詳しく解説します。

子供からの連絡がない…こんなときは要注意

では、素行調査を頼むケースはどんなものがあるのでしょうか。一例を挙げてみましょう。この中で当てはまることがあれば、探偵や興信所に相談してみるのもよいかもしれません。

突然連絡が取れなくなった

最も分かりやすい変化が、「音信不通になった」ではないでしょうか。これまで連絡が取れていたにも関わらず、突然連絡が来なくなるのはやはり心配なもの。何かの事件に巻き込まれた可能性も考えられるでしょう。

中には「テスト期間中のため連絡を取らなかった」という場合もあります。そのため連絡が取れなくなったからといってすぐに慌てなくても良いのですが、もし可能であれば「毎週この日は通話をする」といった取り決めをはじめにしておくと安心です。

下宿先を引っ越した様子がある

例えば学校の寮から出て一人暮らしを始めたり、元いた下宿先から引っ越したりした様子があれば要注意です。みなさんもご存じの通り、引越しには費用や労力もかかります。それでも引っ越したとなると、ストーカー被害に悩んでいたり人間関係に変化があったりと何かがあるはずかもしれません。子供の状況を注意深く探っておく必要があるでしょう。

単位取得が滞りがちである

学校側から最近の成績について、親御さんに連絡が来ることがあります。授業に出ず、登校していないようであれば、その時間何かほかのことをしているのでしょう。昼間の授業に出られないほど夜間のアルバイトをしていたり、もしかすると親御さんにとってはあまり推奨できない類の仕事をしていたりするのかもしれません。あるいは薬物犯罪等に巻き込まれ、外出できないような状況になっていることも考えられます。まずは学校側から状況を聞いたのち、子供と連絡を取りましょう。

何かに悩んでいる様子だった

これまで注意しておきたい子供の行動をご紹介しましたが、連絡が取れなくなる前や学校側から成績不振の連絡がくる前に、お子さんは何かに悩んでいる様子はないでしょうか？連絡もなく突然実家に帰ってきたと思ったらいなくなった、恋人に振られたと連絡があったのちに消えてしまった、というケースは多いです。

もし何か思い詰めているような様子があれば、詳しく聞き出すよりもその後の動向を伺っておきましょう。また、少しでも「おかしいな」と親の勘が働いたら、早急に対策を立てるのもポイントです。

遠方の素行調査は可能？

子供の様子を知りたいと素行調査を依頼する場合に、気になるのが「遠方の素行調査は可能なの？」という点でしょう。

こうした場合は、

・出張調査可能な探偵
・全国に拠点がある探偵

等を選び、遠い下宿先の土地勘を持つ調査機関に依頼することをおすすめします。気をつけていただきたいのが、出張の際や支店を使って調査する場合、交通費や出張費用が別途かかることがあります。さらに、下宿先周辺を初めて調べるところよりも、その辺りに詳しく何度も調査の経験があるところを選びたいものです。

まず、素行調査依頼の前に、

・出張費用や交通費用等、別途料金が必要かどうか
・下宿先周辺での調査経験があるかどうか

この2点を詳しく聞いておくことをおすすめします。ほとんどの調査機関は、すぐに契約を結ぶわけではありません。素行調査を初めて頼む方は分からないことが多いでしょうから、相談無料の調査機関を選び、契約の前に疑問は解消しておきましょう。

契約前には必ず見積書を書面で提示してもらうようにしましょう。見積書の中には項目や数量、そして金額（単価）が書かれているはずです。見積書の隅々まで読み、すべて理解してから契約するようにしましょう。中には「専門用語や難しい話はわからない」という方もいるかもしれません。その場合は、自分が理解できるまで探偵事務所に質問しましょう。また、調査の流れを把握しておくことも大切です。良心的な探偵事務所であれば、丁寧かつ詳細に教えてくれるはずです。

真っ当な生活を送るために必要なこと（一人暮らし開始前）

それでは、そもそも不規則な生活になったり犯罪に巻き込まれないようにするには、どのようにすればよいのでしょうか？ここでは一人暮らしをはじめる前の対策について解説します。

進路選択を本人の責任のもと決めさせる

基本的なことになりますが、進学先は必ず子供本人の意志で決めてもらいましょう。親が勝手に決めた進学先の場合、そもそも学校へ行く意味が見いだせず、学業以外の楽しみを見つけようとして行動するかもしれません。このような気持ちを持った子供を遠方に送り出すということは、真っ当な大学生活の道を踏み外す第一歩を作っているようなもの、という考え方もあります。

経済的な理由等さまざまなことがあると思います。決して子供のいいなりになるわけではありません。子供と意見を交わしながら、可能な限り子供の意見を聞き、最後には必ず子供の意思で進学先を決めさせましょう。

下宿先を一緒に探す

進学先が決まったら下宿先を一緒に探しましょう。大学の近くには、学生向けの賃貸物件が集まっているエリアがあります。あらかじめインターネットや地図を使って、そういった場所を探しておくと便利です。大学までの距離や、近くにどのような商業施設・店舗があるか確認しておきましょう。近くに繁華街や飲み屋街がある場合は注意した方がよいかもしれません。

物件の目星がついたら、実際に現地に行きましょう。もちろんお子様も一緒に行くことが大切です。自分で調べたことが合っているか現地で確認するとともに、お子様の希望も聞くようにしましょう。そして、最後はお子様自身に、どの物件に住むのか決めてもらうのです。

大学を卒業するとどのような生活が待っているのか教えてる

大学に進学するということは、研究したい学問があったり、卒業後の進路を見据えていたり、必ず卒業後のビジョンがあると思います。そのビジョンについて子供とゆっくり話す機会を作ってみてもよいのではないでしょうか。

大学生活がはじまると授業やテスト、そしてサークル活動やアルバイト等意外に忙しい毎日を送るもの。そうすると、当初大学に進学しようと思った目的を忘れて、何か嫌なことが重なると楽な方に流されたり、自暴自棄になったりしてしまうものです。しかし、進学の目的やその先のビジョンがはっきりしていれば、目的意識をもって大学生活を送れるのです。

犯罪がいかに割に合わないことか教える

大学生活を送る中で、さまざまな誘惑があります。住む自治体によっては違法薬物が手に入りやすい環境であったり、詐欺グループが（実は）身近に存在する環境であったりします。薬物にしろ詐欺にしろ、一度その快感を覚えると、なかなか自分だけの意思ではやめられないでしょう。そして、しだいに同じ快楽では満足できなくなり、より強い違法薬物を求めるようになったり、より多額の詐欺事件に関わるようになるのです。

こういったことに巻き込まれるのを防ぐためには、犯罪行為がいかに割に合わないことだと教えることも大切でしょう。違法薬物は一時の快楽を感じるかもしれませんが、薬の効き目が切れると強い虚脱感を感じるといいます。また、詐欺事件への関与については、うまく騙せれば短時間にして多くのお金を手に入れられるかもしれませんが、常に逮捕されるリスクにさらされます。

こういった話はいくら親が口酸っぱく言ったところで、子供には届かないこともあります。言葉でわからないなら実際に見せたほうが早いかもしれません。刑事事件の裁判を傍聴すれば、違法薬物で起訴された人や詐欺事件で起訴された人を目の当たりにします。そういった人の表情や言葉、そして判決の内容や判決が下された時の反応を見れば、犯罪がいかに割に合わないことか、嫌でも分かるでしょう。

リラックスして話す

上記のようなことをするには、嫌でも子供と向き合い、濃密な時間を過ごすことが必要となります。しかし、大学生といえば思春期が終わるかどうかの難しい年頃。中にはいくらこちらが向き合おうとしても、なかなか応じてくれない子供もいるでしょう。

そんなときは、リラックスした雰囲気を作って話をしてみましょう。自宅のリビングでも構いませんし、ドライブ中の車内でも構いません。子供が構えず、自分のことを否定されないと安心できる環境を作って話すことが大切です。場合によってはその役をパートナーに担ってもらった方がよい場合もあるでしょう。夫婦で協力して子供の将来のために一肌脱ぎましょう。

真っ当な生活を送るために必要なこと（一人暮らし開始後）

一方、一人暮らしをはじめた後には、どのような対策を取ればよいのでしょうか？

下宿先を宿代わりに利用する

子供の下宿先を宿代わりに使いましょう。たとえば、一人で旅行に行く、夫婦で旅行に行く等して、子供の下宿先に泊めてもらうのです。もちろん、その旅行には子供の生活の様子を知るという目的もあります。しかし、子供にべったりではその目的を悟られてしまいますし、子供にとっても息の詰まる思いになるかもしれません。自分（たち）は自分（たち）で旅行を楽しむとして、寝るためだけに下宿先を利用させてもらうのです。そうすれば、子供の様子が分かるだけでなく、あまり面倒くさがられずに下宿先に泊めてもらえるかもしれません。

普段の生活の様子をそれとなく聞く

下宿先に泊めてもらったら、お礼に夕食等をご馳走してあげましょう。お酒が飲める年齢であれば、お酒を飲みながらでも構いません。色々な話をする中でさり気なく普段の様子を聞いてみるのです。そのとき、返ってくる答えの内容そのものはあまり気にしなくてよいでしょう。本当のことかどうかはさておき、当たり障りない答えしか返ってこないでしょう。注目するのは表情や話し方です。普段の生活の話になった途端口数が減ったり、表情がこわばったりすると要注意です。何か問題を抱えているかもしれません。

しかし、そのようなサインをキャッチしても無理に問いただしてはいけません。子供が警戒して、それ以上話をしてくれなくなる可能性があるためです。「心配なことがあれば相談を聞く」等子供の味方になることだけを簡単に伝え、あとは子供が自分から相談してくるのを待ちましょう。

多くの大人と関わる機会を与える

それまでずっと両親と暮らしてきた学生は、両親や教員、あるいはアルバイト先の社員以外の大人とかかわる機会が少ないかもしれません。そういった学生は、大人に比べてどうしても社会経験が少ないという特徴があります。それを補うために、交友関係を広げることをすすめてもよいかもしれません。ただし、交友関係の広げ方を間違えると、違法な仕事や事件に巻き込まれる可能性もあります。

ボランティアや市民活動等、比較的、信頼できる大人が多そうなイベントを一緒に探し、そういった活動をもとに交友関係を広げるとよいかもしれません。そうすると、いろいろな苦労や嫌なことを経験した大人にも合うでしょう。そうしていろいろな人の価値観に触れる時間を作ることで、危険なことや余計なことに費やす時間を作らないようにするのです。

自分が経験した苦い経験を話す

子供が悩んでいる素振りを見せたら、自分が経験した苦い思い出や、恥ずかしい失敗を話すのもよいかもしれません。親からすれば、子供が経験しているようなことは自分も経験しているもの。そのため、今子供が悩んでいる気持ちがある程度わかるかもしれません。しかし、子供からすれば親自身の人生を知らないため、今の自分の気持ちをわかってくれる等と、まったく思っていないかもしれないのです。

親が自分の経験した苦い思い出を話すことで、子供が歩み寄ってくれることもあります。そうすれば、道を踏み外す前に問題の根本的な原因の対策ができるかもしれません。

まとめ

親はいつまでも我が子を心配しているもの。家を出て独り立ちした子供を応援したい気持ちも分かりますが、突然連絡がなくなるのは不安で仕方ないですよね。特に一人暮らし第一号の子供の場合は、なおのこと。親御さんの中には自分で下宿先に行き、事実を確かめようとする方も多いかもしれません。それでも解決しない場合は、お子さんが事件に巻き込まれる前に第三者機関に相談することも、検討しておきましょう。探偵に依頼した場合は、調査後に丁寧に状況を報告してくれるでしょう。