不倫相手が慰謝料の減額を主張してきたときの対処方法【元弁護士が解説#10】

不倫慰謝料を請求すると、相手から「慰謝料を減額してほしい」と言われるケースが多々あります。

多くの方は、減額に応じるべきか迷ってしまうでしょう。

減額するとしても「どこまで減らすか」が問題です。減らしすぎると損をしてしまうので、正しい基準を知っておきましょう。

今回は不倫相手から慰謝料を減額するよう求められたときの対処方法を解説します。これから浮気の慰謝料請求をする方や、すでに慰謝料請求をして相手から減額を主張された方は、ぜひ参考にしてみてください。

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不倫慰謝料を減額した方が良いケースもある

配偶者に浮気されて慰謝料請求するなら、できるだけ高額な支払をしてもらいたいのが当然です。相手から減額を主張されても受け入れたくない方が多いでしょう。

ただ状況によっては減額した方が良いケースもあります。

それは以下のような場合です。

  • 請求額が法的な相場より著しく高い場合
  • 相手の支払能力が低い場合
  • 裁判したくない場合
  • 慰謝料よりも「別れてさせたい」希望を優先する場合

以下でそれぞれについて説明していきます。

パターン1 相場より請求額が著しく高い場合

請求している慰謝料額が、法的な相場と比べて著しく高くなっているなら、慰謝料を減額した方が良い場合があります。相場より高額な慰謝料を請求しても、裁判で認められるのは「法的な相場」が限度となるからです。

高額な慰謝料を請求しても、相手が支払を拒絶するなら、最終的に裁判(慰謝料請求訴訟)を起こさねばなりません。そのとき裁判所が認定してくれるのは、「法的な相場」の金額となるでしょう。こちらが相場より高額な慰謝料を請求しても、認められる可能性はほぼありません。

相場より高額な慰謝料を求めて裁判をしても、結局相場までしか認められないので労力と時間、費用の無駄になってしまうのです。

事前交渉の際に相手から減額を求められたら、相場までは減額に応じるのが得策といえるでしょう。

慰謝料の相場はどのくらい?

請求している慰謝料額が相場より高いか低いか判断するため、一般的な相場を示します。

夫婦が離婚しない場合

不倫されても夫婦関係が破綻せず修復する場合、慰謝料額は100万円以下が相場となります。

夫婦が離婚する場合

不倫によって夫婦関係が破綻し離婚する場合、慰謝料額は夫婦の婚姻年数によって異なります。

  • 婚姻期間が1~3年程度

慰謝料の相場は100~150万円程度です。

  • 婚姻期間が3~10年

慰謝料の相場は150~300万円程度です。婚姻期間が長いほど高額化する傾向があります。

  • 婚姻期間が10年以上

慰謝料の相場は300万円以上となります。婚姻期間が20年以上で悪質な場合などには慰謝料額が500万円となる可能性もあります。

上記を参考に、自分の請求額が相場より著しく高いかどうかを判断しましょう。たとえばよくある不倫のケースで500万円や1,000万円を請求しているなら、300万円程度にまで減額するのはやむを得ないと考えられます。

パターン2 相手の支払能力が低い場合

慰謝料を減額した方が良い2つ目のパターンは、相手の支払能力が低くて慰謝料を支払えない場合です。

相手に支払能力がまったくなければ、裁判を起こして払ってもらえる可能性はほとんどありません。勝訴して支払い命令が出ても、差し押さえる財産がなければ回収できないからです。相手が会社員であれば給料を差し押さえられますが、一回に差し押さえられる金額は「手取りの4分の1」程度に限られます。全額回収するまでに何年もかかってしまうでしょう。

また相手が途中で転職したら、新しい職場を探さねばなりません。相手が働いておらず貯金もなければ、一切支払を受けられない可能性もあります。

このように、相手に本当に支払能力が無いなら、高い慰謝料額に固執してもあまり意味がありません。

慰謝料を減額するときの注意点

不倫慰謝料を請求したとき、相手から「お金がないから支払えない」と言われるケースは非常に多数です。ただ、そういわれたからといってすんなり減額に応じるのはお勧めではありません。相手は嘘をついている可能性があるからです。

本当はそれなりの収入があったり貯金や投資をしていたりしても「お金がない」と嘘をつく人がたくさんいるのが現実です。

相手に支払い能力がないために減額に応じるなら「本当に支払えないのか」しっかり確認しなければなりません。

  • 職業
  • 年収、月収
  • 年齢
  • 貯金額
  • 株式などの資産額
  • 保険関係

こういった相手の具体的な状況を確認し、本当に支払えないと確信を持てる場合にのみ相場以下の減額に応じましょう。

資産がなくても収入がそれなりにある人であれば、減額せずに毎月分割で払わせるようお勧めします。

慰謝料を分割払いさせるときの注意点

相手に一括払いする支払能力がなければ、分割払いを認めざるを得ません。このとき、途中で支払が止まるリスクに注意しましょう。

公正証書を作成する

確実に最後まで払わせるには、慰謝料に関する合意書を作成して「公正証書」にしておく必要があります。公正証書を作成すると、相手が支払いを滞納したときにすぐに「差押(強制執行)」できるので、相手に強いプレッシャーを与えられます。また実際に滞納されてもすぐに差し押さえて回収できるでしょう。

預金口座や勤務先の情報を把握する

有効に公正証書を活用するには、相手の預貯金口座や勤務先などの情報を押さえておく必要があります。どこに勤務しているのかわからなければ給与を差し押さえられませんし、預貯金口座がわからなければ預金差押もできません。

相手からの減額や分割払いの依頼に応じるなら、預金口座や勤務先を開示させましょう。転職するときには必ず通知するように約束させてください。その上で公正証書を作成し、万一の場合に備えましょう。

万一のときの情報収集方法

相手の勤務先や預貯金口座がわからなくなったときには、裁判所へ「第三者からの情報取得手続」という情報開示の申立をしてみてください。裁判所から年金事務所や役所、金融機関へ情報照会をしてもらえて、相手の勤務先や預貯金口座を明らかにできる可能性があります。自分で手続きするのが難しい場合、弁護士に依頼しましょう。

探偵事務所に依頼して調査する方法もあります。尾行調査すると勤務先や現住所などを突き止められるケースが少なくありません。

自分で調査するのに限界を感じたら、専門家の助けを借りましょう。

パターン3 裁判したくない場合

慰謝料の減額に応じた方が良い3つ目のパターンとして「裁判したくない場合」があります。

相手方からの減額要求に応じなければ示談が決裂するので、裁判(慰謝料請求訴訟)せざるを得なくなるでしょう。ただ裁判には多大な労力と時間、費用がかかります。弁護士にも依頼しなければならず、配偶者の証人尋問が必要になったりして大事になってしまうでしょう。できれば裁判にしたくない方も多いはずです。

裁判したくないなら、ある程度のラインまで減額に応じて示談するのも有用な選択肢となります。

裁判するかどうかはどうやって判断するの?

相手から慰謝料の減額を主張されたとき「示談を決裂させて裁判すべきかどうか」悩む方がとてもたくさんいます。裁判すべきかどうかは、以下の基準で判断してみてください。

  • 相手が相場より低い金額を提示しているなら裁判した方が良い

相場より低い金額を提示されている場合、裁判すると相場までは金額を引き上げてもらえる可能性が高いので裁判した方が得になるでしょう。

  • 相手の支払能力が充分あるなら裁判した方が良い

相手に支払い能力がある場合、裁判で勝訴するときちんと支払を受けられる可能性が高くなります。裁判するメリットがあるといえるでしょう。

  • 配偶者との関係悪化を気にしないなら裁判した方が良い

裁判すると、トラブルが大きくなって配偶者との関係が悪化する可能性があります。

すでに浮気関係が清算されていて配偶者との関係悪化を気にしなくて良いケース

すでに関係が悪化している、離婚するので裁判による影響を気にしないケース

こういった状況なら裁判に進むと良いでしょう。

  • 離婚するなら裁判した方が良い

離婚する場合、請求できる慰謝料の金額は高額になります。またすでに配偶者との関係が破綻しているので、関係悪化も心配する必要はないでしょう。配偶者への離婚請求と不倫相手への慰謝料請求を同時に進められるので、離婚問題と不倫トラブルをまとめて解決できるメリットもあります。

離婚するなら基本的に相手からの減額交渉には応じず、調停や訴訟に向けて進めると良いでしょう。

パターン4 慰謝料よりも「別れさせたい」希望を優先する場合

4つ目に、慰謝料よりも「別れさせたい」希望を優先するなら慰謝料減額に応じた方が良いケースがあります。

配偶者と離婚しない場合、法的な慰謝料の金額は100万円以下となり、少額です。また夫婦関係を修復するためには不倫関係を清算させることが必須となるでしょう。そこで、慰謝料よりも「確実に別れさせること」の方が重要となる傾向があります。相手方らが確実に別れるなら慰謝料を多少減額しても損にはなりません。「あえて慰謝料を請求しない」といった対応も視野に入ってくるでしょう。

ただ、万一約束を破って再び不倫したときには、高額な違約金を支払うよう約束しておくべきです。

慰謝料を減額しない方が良いケース

以下のような場合には、不倫慰謝料の減額に応じるべきではありません。

  • 相手に支払い能力があるのに相場以下への減額を主張している
  • 裁判してでも適正な慰謝料額を払わせたい
  • 相手が通常一般より著しく高収入、資産が多い
  • 裁判になっても充分勝てるくらいの不倫の証拠を入手している

上記に該当するなら裁判しても勝てる可能性が高く、示談より有利に解決できるでしょう。

自分では裁判すべきかどうかわからない場合、弁護士に相談してみてください。

まとめ

不倫相手から慰謝料の減額を求められたら「納得できない」と感じる方も多いでしょう。状況によって減額に応じるべきかどうか異なります。迷ったときには慰謝料問題に強い弁護士に相談してみてください。

また減額に応じず裁判するときには「不倫の確実な証拠」が必須となります。手元に充分な資料がないときには、信頼できる探偵事務所に調査依頼しましょう。今回の記事を参考に、泣き寝入りせず正当な慰謝料額の獲得を実現してください。

執筆者プロフィール

法律ライター 元弁護士
弁護士としての経験は約10年。その経験をもとに、ライターへ転身後は法律や不動産関係の記事を積極的に執筆している。
弁護士時代は中小企業の顧問業、離婚や不倫など男女関係案件の取扱いが多く、浮気調査や探偵事務所の実情にも詳しい。
記事の作成だけではなく、編集やサイト設計、ディレクションやウェブコンテンツを利用したマーケティングのアドバイスなど、活動の幅を広げている。

運営サイト(元弁護士・法律ライター福谷陽子のblog)
https://legalharuka.com/433

運営youtubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UC-vYz7An9GHWXsXjWKbmRdw

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本記事は探偵社PIOの編集部が企画・編集・監修を行いました。

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