筆跡鑑定は拒否できるもの?誤解されがちなポイントと仕組みを解説
「筆跡鑑定を拒否できないか」と不安になり、思い悩む方がいます。
しかし、筆跡鑑定は「新たに文字を書かせる検査」ではなく、疑いをもたれている人物の意志とは関係なく行われるものです。
本記事では、筆跡鑑定の仕組みや誤解されがちなポイントを解説し、「拒否」という考えに至る不安の本質に向き合いながら、実際の手続きについて分かりやすく説明します。裁判や法的手続きで不安を感じている方に、正確な知識と適切な対応方法をお伝えします。
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目次
筆跡鑑定とは
跡鑑定とは、複数の筆跡を比較して、その文字を書いた人物が同一人物であるか、別人であるかを判別する鑑定方法です。筆跡の照合には鑑定人による鑑定と共に、機械による精密な照合も行うため、非常に精度の高い鑑定が可能となっています。
筆跡鑑定の概要
筆跡鑑定は、複数の文書に書かれた文字を科学的に分析し、同一人物によって書かれたものかどうかを判定する専門的な手法です。具体的には、文字の点画構成、筆順、筆圧、文字形態などの要素を多角的に分析し、執筆者を特定していきます。
この鑑定では、顕微鏡やマイクロスコープ、筆圧検出器などの科学機器を使用して、筆跡の特徴を客観的に数値化・分析します。
筆跡鑑定の基本的な仕組み
筆跡鑑定とは、問題となっている文書(対象文書)と、比較のための文書(対照文書)を科学的に分析し、同一人物によって書かれたものかどうかを判定する手法です。
具体的には、文字の大きさ、傾き、筆圧、文字間隔、特徴的な癖など、多角的な要素を専門家が分析します。
重要なのは、新たに文字を書いてもらう必要がないという点です。すでにある契約書、手紙、申込書などの文書が比較対象として使用されます。
つまり、筆跡鑑定は対象者の意思とは関係なく、既存の文書だけで実施可能な客観的な分析なのです。このため、「拒否できるかどうか」という問題は、実際の鑑定手続きにおいてはあまり意味を持たないのです。
「筆跡鑑定は拒否できる?」という誤解
「筆跡鑑定を拒否できないだろうか」と考える方の多くは、新たに文字を書かされることへの不安や、自分の意思に反して鑑定されることへの抵抗感を持っています。
しかし、これは筆跡鑑定の仕組みに対する誤解から生まれた心配なのです。
筆跡鑑定は、すでに存在する文書同士を比較する科学的な分析手法です。つまり、契約書や申請書など、過去に書いた文書が鑑定の対象となります。新たに文字を書く必要はなく、対象者の意思とは関係なく実施できる客観的な分析なのです。
筆跡鑑定はどのようなときに行われる?
筆跡鑑定は、主に法的な文書の真贋を確認する必要がある場合に実施されます。特に以下のような場面で重要な役割を果たしています。
遺言書に関する案件
最も多いのが自筆証書遺言書の真贋を確認するケースです1。遺産相続の分配を決定する重要な文書であるため、遺言者本人が書いたものかどうかを確認する必要があります。相続人や代理人である弁護士からの依頼が一般的です。
契約関連の案件
次に多いのが金銭や不動産などの貸借契約に関する案件です。具体的には以下のような文書が対象となります。
- 契約書の署名
- 借用書の筆跡
- 保証人の署名
戸籍関連の文書
戸籍に関わる重要な書類についても、筆跡鑑定が行われることがあります。
- 養子縁組届の署名
- 婚姻届の署名
- 離婚届の署名
その他の法的文書
- 遺産分割協議書
- 公正証書遺言書
- 各種契約書類
重要なのは、これらの鑑定のほとんどが「署名」の真贋を確認するものだということです。
また、鑑定の際には「疑問資料」(鑑定したい文書)1点に対して、「対照資料」(筆者が明確な資料)3~5点が必要とされます。
このように、筆跡鑑定は主に法的な重要文書の信頼性を確保するために実施される専門的な調査であり、個人や法人の権利を保護する重要な役割を担っています。
筆跡鑑定の証拠能力
筆跡鑑定は、裁判所において一定の証拠能力を持つものとして認められています。ただし、DNA鑑定や指紋鑑定のような絶対的な証明力は持たず、「強い情況証拠」として扱われます。
最高裁判所は、筆跡鑑定が鑑定人の経験と感覚に頼る部分があることを認めながらも、そのことが非科学的で不合理であるとは言えないとの見解を示しています。特に、デジタルマイクロスコープや静電検出装置などの科学的手法を用いた鑑定は、より高い信頼性を持つとされています。
ただし、鑑定結果は他の証拠と合わせて総合的に判断され、それ単独で決定的な証拠とはなりません。そのため、裁判では筆跡鑑定に加えて、文書作成の経緯や状況なども含めた総合的な判断が行われます。
筆跡鑑定が実施されない場合もある?
筆跡鑑定が実施できないケースは、主に以下のような状況で発生します。これは「拒否」という概念とは異なり、物理的・技術的な制約によるものです。
比較対象となる資料の問題
近年、パソコンやスマートフォンの普及により、手書きの文書が激減しています。そのため、比較対象となる本人の筆跡資料が十分に集められないことがあります。特に高齢者の場合、代筆を利用することが多く、本人の筆跡資料が少ないケースが増えています。
資料の品質による制約
保管状態の悪化や経年劣化により、筆跡の特徴が判別できないケースもあります。また、PDFなどデジタル保存された文書の場合、画質が低すぎて鑑定に適さないことがあります。
このように、筆跡鑑定は対象者の意思とは関係なく、むしろ技術的な要因で実施できない場合があります。そのため、重要な文書に関しては、将来の鑑定に備えて本人の筆跡資料を適切に保管しておくことが推奨されます。
筆跡鑑定に不安を感じているかたは弁護士に相談
筆跡鑑定は、新たに文字を書かせる検査ではなく、既存の文書を科学的に分析する手法です。そのため、「拒否できるかどうか」という問題は実際の鑑定手続きにおいてはあまり意味を持ちません。
しかし、法的な手続きに不安を感じるのは当然のことです。そのような場合は、まず弁護士に相談することをお勧めします。弁護士は、筆跡鑑定の具体的な進め方や、あなたの立場を守るための適切な対応方法についてアドバイスしてくれるはずです。
また、筆跡鑑定の結果は絶対的なものではなく、他の証拠と合わせて総合的に判断されます。このような法的な手続きの全体像について、弁護士から正確な情報を得ることで、不安を軽減することができるでしょう。
まとめ
筆跡鑑定は、しばしば「拒否できる」と誤解されがちですが、実際には疑わしい文書の鑑定は、対象者の意思に関係なく実施されるため、拒否や同意の機会はありません。
また筆跡鑑定単独では決定的な証拠とはならず、他の証拠と合わせた総合的な判断が重要とされています。
筆跡鑑定は、文字の個性化した特徴を科学的に分析し、同一人物によるものかを判定する専門的な調査です。探偵興信所PIOでは、豊富な経験を持つ専門家による正確な筆跡鑑定を提供しています。
遺言書や契約書、怪文書など、様々な文書の真偽判定に対応し、確かな証拠に基づいた解決をサポートしています。文字の種類や記載時期、用筆の種類など、様々な要素を総合的に分析し、信頼性の高い鑑定結果を提供しています。
筆跡鑑定に関する困り事やご相談は実績と信頼の株式会社ピ・アイ・オへ
この記事の著者:探偵社PIO 調査員 Y.K
調査歴10年。
年間200件以上もの調査を行う。